Case236 ソフトウェアの営業担当についてコロナ禍における成績不良を理由とする解雇が無効とされた事案・デンタルシステムズ事件・大阪地判令4.1.28労判1272.72

(事案の概要)

 原告労働者は、令和2年2月1日から被告会社に雇用され、歯科医院で使用するレセプト作成補助用のソフトウェアの営業を担当していました。

 入社後3か月間は試用期間とされ、先輩社員の営業についていき営業方法を体験する期間とされていましたが、コロナ禍の影響で同年4月10日から同年5月6日までは対面での商談が禁止となり、自宅勤務となりました。

 その後、原告は、同年6月に2件、同年7月に3件の受注ノルマを課せられ、3件しか受注できなかったことから成績不良を理由に7月末日付で会社を解雇されました。

(判決の要旨)

 判決は、原告が取り扱っていた商品は、その性質上、顧客側のニーズは限定的で、たやすく契約を受注できるものではなく、コロナ禍の影響で対面での商談が禁止されており、原告は試用期間中または使用期間終了直後で経験も少なかったことから、的確な営業活動を行うことは困難であったとしました。

 そして、本件解雇時点において、原告の勤務成績または業務効率に向上の見込みがなかったとはいえず就業規則所定の解雇事由は認められないとし、解雇を無効としました。

※確定

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