Case257 試用期間中の解雇を無効とし実質的代表者によるパワハラに対する慰謝料10万円が認められた事案・トラストスリー事件・東京地判令4.2.4

(事案の概要)

 原告労働者は、被告会社と雇用契約を締結していましたが、入社から3か月経過時に会社の実質的代表者から「もうやめろよ」と言われ翌日以降の労務提供を拒否されました。

 原告は、本件雇用契約が試用期間3か月の無期雇用契約であり、会社による労務拒否は無効な解雇に当たると主張し、雇用契約上の地位確認等を求めました。会社は、本件雇用契約は雇用期間3か月の有期雇用契約であると主張しました。

 また、原告は、会社の実質的代表者が原告に対して「ほんとになめんじゃねぇぞお前」「わかってねぇからやんだろ、この馬鹿野郎」「今後このあほうどうします?」と発言したり、原告の左肩を2回突き、腹部を裏拳で殴る暴行をしたことに対する慰謝料を請求しました。 

(判決の要旨)

 判決は、原告と実質的代表者との間で試用期間延長の話があったことなどから、本件雇用契約が試用期間3か月の無期雇用契約であるとしたうえ、会社による労務拒否は無効な解雇に当たるとして地位確認等を認めました。

 また、実質的代表者のパワハラにつき、会社の安全配慮義務違反を認め、慰謝料10万円を認容しました。

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