2023年2月
Case295 労働者が在職中に会社の業務妨害の予備行為を行ったことが懲戒解雇事由に該当するものの退職金の返還は認められないとした事案・ジブラルタ生命保険事件・東京地判令4.6.10労経速2504.27
(事案の概要) 原告会社が被告労働者2名に対して退職金の返還を求めた事案です。 被告労働者らは、原告会社を退職し、退職金の支給を受けました。 その後、被告労働者らが、原告会社在職中に、退職後に顧客を訪問し、原告会社 […]
Case294 システムエンジニアの派遣・紹介会社における退職後1年間の競業避止条項が公序良俗に反し無効とされた事案・REI元従業員事件・東京地判令4.5.13労判1278.20
(事案の概要) 会社が労働者に対して損害賠償請求した事案です。 派遣・紹介会社である原告会社と雇用契約を締結しA社でシステムエンジニアとして働いていた被告労働者は、原告会社を退職した後に秘密保持契約書(本件合意書)に […]
Case293 労災保険の特別加入者である取締役が行った車両の探索・下見が労働者の行う業務に準じた業務の範囲外であるとした労災不支給決定が取り消された事案・国・川越労基署長(サイマツ)事件・東京地判令3.4.5労判1278.80
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、運送業を行う本件会社の取締役で、運転業務について労災保険に特別加入していました。 原告は、会社で購入する車両の探索・下見のためオークション会場に赴いた際 […]
Case292 賞与の考課期間満了後支給日前に病死した労働者に支給日在籍要件を適用することは公序良俗に反するとして賞与請求が認められた事案・医療法人佐藤循環器科内科事件・松山地判令4.11.2労判1294.53
(事案の概要) 本件労働者は、夏季賞与の考課対象期間満了日の後、支給日の20日前に病死により被告法人を退職扱いとなりました。 法人は、賞与支給日に在籍していることを支給要件としており、本件労働者に賞与を支給しませんで […]
Case291 警備員が週に1度支社に赴き勤務実績報告書の提出等を行っていた時間及び現場から支社への移動時間が労働時間と認められた事案・テイケイ事件・東京高判令4.12.8
(事案の概要) 被告会社と雇用契約を締結し取引先の現場で警備員として勤務していた原告労働者は、毎週水曜日に会社の支社に赴き、勤務実績報告書の提出、制服の点検、シフト希望表の作成・提出、賃金支払票の受領等をしていました( […]
Case290 少数派組合の深夜業免除者について不就労とされた日の賃金請求が一部認められた事案・日本航空インターナショナル事件・東京地判平19.3.26労判937.54
(事案の概要) 原告ら労働者は、被告会社の成田基地で客室業務員として勤務していました。 会社には、育児介護休業法に基づき深夜時間帯の勤務が免除される深夜業免除制度があり、同制度を利用した場合の不就業日は無給とされてい […]
Case289 法令に反して有給休暇を不承認とし出勤を支持する警告書を破り捨てたことや業務の引継ぎに応じなかったことなどを理由とする解雇が無効とされた事案・大尊製薬事件・大阪地判令4.9.29
(事案の概要) 被告会社は、原告労働者に対して、原告が行っていた総務経理業務を他の従業員に引き継ぐよう命じ、それ以降原告に対して多数の注意書や警告書等の文書を送付し、そこには賃金を半額以下に減額する旨を通知するもの、関 […]
Case288 マンション管理員についてマスク不着用及び通勤手当の不正受給を理由とする解雇が無効とされた事案・近鉄住宅管理事件・大阪地判令4.12.5労判1283.13
(事案の概要) 原告労働者は、パートとして被告会社の管理する本件マンションで管理員をしていました。 原告は、業務中に日常的にマスクを着用しておらず、マンション住民から1件の苦情がありました。 会社は、①コロナ感染対 […]
Case287 組合ウェブサイトへの記事の掲載が正当な組合活動であるとして、会社による削除請求が却下された事案・JMITU愛知支部ほか(オハラ樹脂工業・仮処分)事件・名古屋地決令4.11.10労判1277.37
(事案の概要) 本件は、会社が、組合のウェブサイトに掲載された各記事が会社の名誉・信用を毀損するとして、記事の削除を求めた仮処分の事案です。 (決定の要旨) 決定は、組合らの掲載した各記事が会社の名誉を毀損するもので […]