Case316 会社がタイムカードを所持していないとは考え難いとして会社にタイムカードの提出を命じた事案・JYU-KEN(文書提出命令)事件・東京高決令4.12.23労経速2512.18
(事案の概要)
残業代請求訴訟の原告労働者が申し立てた文書提出命令申立事件です。
被告会社は、従業員の出退勤時刻を、サイボウズのタイムカードにより管理していました。原告は、タイムカードの一部を印刷して証拠提出しましたが、その余のタイムカードを提出することができませんでした。
そこで、原告は、会社に対してタイムカードの提出を求める文書提出命令を申し立てました。
会社は、タイムカードを所持していないなどと主張しました。
(決定の要旨)
裁判所は、タイムカードは5年間の保存義務があり、電子データで保管場所もとらず紛失することもないことから、会社がタイムカードを所持していないとは考え難いとして、民事訴訟法220条4号(除外事由がない文書)により、会社にタイムカードの提出を命じました。