Case438 派遣元から更新が確定した旨のメールを受信したことから初回更新の合理的期待を認め雇止めを無効とした事案・グッドパートナーズ事件・東京高判令5.2.2労判1293.59

(事案の概要)

 原告は、被告会社との間で、派遣先をA社が運営する介護付有料老人ホームB、雇用期間を平成31年2月3日から同年3月31日とする有期雇用契約を締結しました。

 被告会社の職員は、平成31年2月21日、原告に対して「ご契約更新の期間が確定しましたのでご報告させていただきます」「ご契約更新期間:2019年5月末日まで ※2ヶ月の更新が確定しました!」「個別契約につきましては、順次発送させていただきます」とのメールを送信しました。

 ところが、原告がBの職員に虐待行為があった旨の通報をB、地域包括支援センター及び被告会社にしたところ、被告会社は平成31年3月6日、原告に対して契約更新を取り消し、新たに仕事の紹介もしないとし、同月31日で原告を雇止めしました。

 本件は、原告が被告会社に対して雇止めの無効を主張し、雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、本件メールは、本件契約の更新が確定したことを内容とするものであるから、これを受信した原告において、初回の契約満了時である平成31年3月31日の時点において、本件契約が更新されることについて強い期待を抱かせるものであったということができ、原告には、同日時点において、本件契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるとして、雇止めを無効とし、令和元年5月末日までの賃金請求を認めました。

 なお、令和元年5月末日時点での更新の期待は否定し、本件契約は同日で終了していたとしました。

※上告

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