【不当解雇】Case458 雇用期間満了前に労働者を合意退職扱いしたことが違法な解雇に当たるとして慰謝料10万円が認められた事案・ISS事件・東京地判令5.1.16労判1341号152頁
(事案の概要)
原告労働者は、被告会社と令和2年2月3日から3か月間の有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、本件雇用契約は2回更新され、最後の契約期間は同年9月30日までとされました。
原告は、同年8月27日、会社から同年9月20日をもって本件雇用契約を合意解約することを提案されました。原告は同月5日から有給消化に入り、会社は原告が同月20日に退職したものとして取り扱いました。
本件は、原告が会社に対して、9月20日に合意退職した事実はなく、20日での退職扱いは会社による一方的な解雇であるとして損害賠償請求した事案です。
なお、求人情報の記載から本件雇用契約が無期雇用である、仮に有期雇用であるとしても更新の合理的理由があるため雇用契約が続いているとのXの主張は排斥されました。
(判決の要旨)
裁判所は、Y社による期間途中での解約申し入れは実質的な解雇であり、やむを得ない事由がないとして不法行為の成立を認め、Y社に慰謝料10万円等の支払いを命じました。
Y社は「合意解約」が成立したと主張しましたが、裁判所は原告と会社が契約期間を9月30日までとする雇用契約書を作成していたこと、原告が同月14日以降会社に対して繰り返し解雇されたと主張し労働局にあっせん申請したことなどから、などから合意を否定しました。その上で、Y社による期間途中の解約について以下のとおり判示し、不法行為責任を認めました。
「被告が原告に対し前記提案をしたことは,有期雇用契約である本件雇用契約の解約を一方的に申し入れたものというべきであって,その実質は解雇であり,やむを得ない事由(民法628条)があったとも認められないから,原告の承諾を得ることなく故意又は過失によって原告の権利又は法律上保護される利益を侵害した行為として,不法行為に該当するというべきである。」
※控訴

