Case213 無期転換に必要な通算期間を10年とする教員任期法を適用し無期転換を否定したが、雇止めを無効として地位確認を認めた事案・学校法人茶屋四郎次郎記念学園(東京福祉大学)事件・東京地判令4.1.27労判1268.76

(事案の概要)

 原告労働者は、被告法人が運営する大学で有期の専任講師として勤務し、1年契約が5回更新されていましたが、職員と口論になりゴミ箱を蹴りつけたことにつきけん責処分を受けていることなどを理由に雇止めされました。

 本件は、原告労働者が、主位的に無期転換による無期雇用契約の成立を、予備的に雇止めの無効を主張して雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

 無期転換について、大学の講師につき無期転換のための通算期間を5年ではなく10年とする教員任期法の適用が争点となりました。

(判決の要旨)

 判決は、原告が大学の専任講師であることから、教員任期法を適用し、無期転換権は発生していないとしました。

 一方で、原告の有期雇用契約更新の期待には合理的な理由があり、原告がけん責処分等を受けた後も契約更新がされていたことなどから、けん責処分等を理由とする雇止めは客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当であるとはいえないとして、雇止めは無効とし、雇用契約上の地位の確認等を認めました。

※確定

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