労働基準法第2条 労働条件の決定
(労働条件の決定) 第二条 ① 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。 ② 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。 |
~解説~
第1項
⑴ 労働条件の決定について労使が対等の立場に立つべきという「労使対等の原則」を述べたものです。もっとも、現実の使用者と労働者の力関係は平等ではありません。そのような力関係の不平等を是正するのが労働法の役割であり、第1項はそのことを宣言したものです。
⑵ 「労働条件」とは、第1条1項と同じく、賃金、労働時間だけでなく、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件をすべて含む労働者の職場における一切の待遇をいいます。
第2項
⑴ 労使双方が、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に義務を履行すべきことを訓示的に規定したものです。
⑵ 労基法2条は訓示規定なので、労働協約、就業規則及び労働契約に対する違反は、契約上の義務違反として扱われ、別途労基法第2条2項違反が問題になるわけではありません。