【残業代、退職勧奨、損害賠償】Case513 募集要項の記載から無期雇用契約の成立を認定したうえ有期雇用への変更合意を否定し労働者の「退勤」のツイートを終業時刻と認定した事案・司法書士法人はたの法務事務所事件・東京高判令5.3.23労判1306.52
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人が求人サイトに掲載していた庶務事務の募集要項をみて、これに応募しました。募集要項には、「雇用形態 正社員」「試用期間3か月」と記載されていました。原告は、採用面接において法人から雇 […]
【解雇事件マニュアル】Q12解雇予告除外認定は解雇の効力発生要件か
客観的には労基法20条1項ただし書の解雇予告除外事由が存在する場合に、同条3項の解雇予告除外認定なくされた即時解雇は有効であろうか。 解雇予告除外認定の性質は、使用者の恣意的判断を規制する意図で監督指導上課せられた行 […]
【労働組合、不当労働行為、損害賠償】Case512 複数の職場における脱退勧奨等の事実を認めつつ約2万4000人の組合員の脱退について会社の組織的関与を否定した事案・JR東日本(組合脱退勧奨)事件・東京高判令6.4.24
(事案の概要) ⑴ 概要 原告ら労働者A~Dは、被告JR東日本に駅員や車掌、運転士として勤務しており、東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)東京地方本部(東京地本)の組合員でした。 JR東労組には平成30年2月の段階で […]
【解雇事件マニュアル】Q11解雇予告義務違反の解雇の効力は
労基法20条の解雇予告義務違反、すなわち客観的に解雇予告除外事由が存在しないのに、30日前の解雇予告または30日分の解雇予告手当の支払をしないでなされた解雇は有効であろうか。 学説では、絶対的無効説、有効説、相対的無 […]
【解雇事件マニュアル】Q10解雇予告手当の基礎となる平均賃金の計算方法は
1 平均賃金の定義 解雇予告手当の基礎となる平均賃金は、労基法12条に従って計算される。同条は、平均賃金を「これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した […]
【解雇事件マニュアル】Q9解雇予告手当は労基法11条の賃金に当たるか
解雇予告手当は、労働の対償として支払われるものではないから、労基法11条の賃金には当たらないとされている。解雇予告手当は、労基法により創設された特別の手当であると解されている(厚労省『労基法上』309頁)。 したがっ […]
【労災、過労死、過労自殺、精神障害】Case511 上司による「主任失格」などの叱責や結婚指輪を外せとの命令がパワハラに当たるとしてうつ病発症及び自殺の業務起因性が認められた事案・名古屋南労基署長(中部電力)事件・名古屋高判平19.10.31労判954.31
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件労働者は、平成11年8月に所属する環境整備課の主任(管理職ではないが、一般職の最高職)に昇格しました。 本件労働者の上司であるAは、本件労働者に対して、「主 […]
【解雇事件マニュアル】Q8解雇予告期間中の労働関係はどのようになるか
解雇予告がされても、解雇の効力が生じるのは解雇予告期間満了時であって、解雇予告期間が満了するまでは従前どおりの労働関係が存続している。 したがって、解雇予告期間中も、従前どおり労働者は使用者に対して労働契約に基づいて […]
【解雇事件マニュアル】Q7解雇予告制度は有期労働契約にも適用されるのか
1 期間途中の解雇 有期労働契約であっても、やむを得ない事由があるときは、使用者は期間途中に労働者を解雇することができる(民法628条)。 期間途中の解雇も、解雇である以上、労基法21条の適用除外に該当しない限り労基 […]
【労災、損害賠償】Case510 右足関節機能障害を持つ労働者を異動させず家庭訪問業務を継続させたことが安全配慮義務違反に当たるとされた事案・大和高田市事件・奈良地葛城支判令4.7.15労判1305.47
(事案の概要) 原告労働者は、一般職として被告大和高田市に採用され、平成8年度からは市税の徴収業務に従事していました。 原告は、平成9年5月に交通事故に遭い、右足関節捻挫、右大腿部打撲等の傷害を負い、平成10年11月 […]