Case547 労働者の疾病は双極性障害であったとしてうつ病を前提に症状固定とした労災不支給決定が取り消された事案・国・土浦労基署長(大東建物管理)事件・東京高判令6.1.31労判1316号22頁新着!!
(事案の概要) 原告労働者は、平成24年9月、平成20年6月頃に業務に起因して軽症うつ病エピソードを発病していたとして労災認定を受けました。平成25年3月、原告のA主治医は、原告について「うつ病」と診断しました。 平 […]
【解雇事件マニュアル】Q52試用期間満了前に留保解約権を行使して解雇することは許されるか新着!!
試用期間と関係なく、試用期間中に労働者に通常の解雇事由や懲戒解雇事由が生じた場合には、試用期間中の解雇も当然許されるであろう。この場合の解雇は、試用期間により留保された解約権の行使によるものではない。 では、使用者が […]
【解雇事件マニュアル】Q51本採用拒否の有効性の判断基準は
試用期間の性質は解約権留保付労働契約であり、試用期間後の本採用拒否は、留保された解約権の行使、すなわち解雇にあたるため、解雇権濫用法理(労契法16条)が適用され、客観的合理的理由及び社会通念上の相当性が必要である。 […]
【解雇事件マニュアル】Q50有期労働契約に付された試用期間は有効か
有期労働契約の契約期間のうち、更にその一部が試用期間とされている場合がある。このような有期労働契約に付された試用期間は有効か。 契約期間中の解雇は、労契法17条1項という強行法規により、「やむを得ない事由」がある場合 […]
【解雇事件マニュアル】Q49試用期間か雇用期間かが争われた場合の判断基準は
雇用契約に期間が定められているとき、それが試用期間か雇用期間かが争いになることがある。雇用期間であれば、有期雇用契約であるため、期間満了による使用者による一方的な解約は雇止めに当たる。他方で、試用期間であれば、無期雇用 […]
Case546 自由な意思論に基づき既に更新に対する合理的期待が生じた後に定められた更新上限規定によって合理的期待が消滅したとはいえないとされた事案・放送大学学園事件・徳島地判令3.10.25労判1315.71
(事案の概要) 原告労働者は、平成18年4月から1年間の有期雇用契約で被告法人において事務員として働き、平成30年3月まで11回契約を更新してきました。 被告法人は、平成25年3月、同年4月1日において再雇用される者 […]
フリーランス法の概要
目次 1 はじめに 2024年11月1日、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法、通称『フリーランス法』)が施行されました。 フリーランス法は、発注事業者に比べて弱い立場 […]
Case545 使用者には労災支給決定に対する取消訴訟の原告適格がないとした最高裁判例・国・札幌中央労基署長(一般財団法人あんしん財団)事件・最判令6.7.4労判1315.5
(事案の概要) 使用者である原告法人が、被告国に対して、札幌中央労基署がした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。 そもそも使用者が労災支給決定に対する取消訴訟の原告適格を有するかが争点となりました。 法人は、 […]
【解雇事件マニュアル】Q48試用期間とは
使用者が労働者を採用する際に、入社後1か月から6か月程度を試用期間とし、当該期間中に従業員としての適格性を観察して本採用するか否かを決定することがある。 このような試用期間の性質について、三菱樹脂事件・最大判昭48. […]
Case544 上司らのいじめによる自殺について使用者の安全配慮義務違反が認められた事案・誠昇会北本共済病院事件・さいたま地判平16.9.24労判883.38
(事案の概要) 本件労働者は、被告法人が運営する病院において、被告上司の下で看護師として働いていました。 本件労働者は、3年近く、被告上司らから、①仕事でミスをしたときに乱暴な言葉を使ったり、手を出したりする、②家の […]