【不当解雇、未払賃金】Case342 自宅を拠点に勤務していた労働者に対する賃金債務につき義務履行地が労働者の住所地であるとして同地に管轄を認めた事案・パールシステムズ事件・大阪高決平10.4.30判タ998.259
(事案の概要) 東京に本店を構える本件会社と雇用契約を締結していた本件労働者は、西日本営業部長の肩書で神戸市内の自宅の一室を拠点として働いており、給料は振込みでした。 本件労働者は、会社に解雇されたため、解雇無効確認 […]
Case341 未払金に付帯してされた付加金請求の額は訴額に算入しないとした最高裁判例・手数料還付申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件・最決平27.5.19民集69.4.635
(事案の概要) 本件労働者は、使用者に対する本案訴訟において、労基法26条の休業手当とともにこれに係る労基法114条の付加金を請求しました。その際、本件労働者は、裁判所に付加金請求に係る手数料として4万8000円を納付 […]
Case340 提訴記者会見における訴状の記載と異なる発言が違法な名誉毀損に当たらないとされたが、事業場外みなしを無効とした判断は最高裁で差戻された事案・協同組合グローブ事件・福岡高判令4.11.10労判1309.23・最判令6.4.16労判1309.5
(事案の概要) 1 本訴(残業代及び損害賠償請求) 外国人技能実習制度の管理団体である被告協同組合において、外国人技能実習生の指導員として勤務していた原告労働者が残業代請求した事案です。 原告は、実習実施者への訪問・ […]
Case339 公立高校教員について超勤4項目以外の部活動の時間等も含めて業務の量的過重性を評価すべきであるとして校長の安全配慮義務違反を認めた事案・大阪府(府立高校教員)事件・大阪地判令4.6.28労判1307.17
(事案の概要) 本件は、被告大阪府が設置する高校に教員として勤務していた原告労働者が、長時間労働により適応障害を発症したとして、大阪府に対して国家賠償請求した事案です。 原告は、授業の他に、生徒会部に所属したほか卓球 […]
Case338 時間管理されていなかった大学教員についてパソコンのログイン・ログアウト時刻から労働時間を算定し、遡っての欠勤控除を否定した事案・学校法人目白学園事件・東京地判令4.3.28労経速2491.17
(事案の概要) 被告法人が設置する大学で講師をしていた原告労働者の雇止めが有効とされた事案ですが、残業代請求が認められています。 法人は、原告の労働時間管理を何らしていなかったため、原告は、パソコンのログイン時刻とロ […]
Case337 既に精神障害を発病している労働者の発病・悪化についても、業務による心理的負荷が精神障害を発病させる程度に強度であるといえるかによって業務起因性を判断すべきであるとした事案・北九州東労働基準監督署長事件・福岡地判令4.3.18労経速2499.9
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件会社でシステムエンジニアをしていた原告労働者は、出向中の平成23年4月に精神障害を発症していましたが(本件発症)、帰任後に二人体制でやっていた業務を一人で行う […]
Case336 代表者による「この会社でしてもらう仕事はない」などの発言が労務の受領拒絶(解雇の意思表示)に当たるとして、翌日以降の労務不提供が会社の帰責事由に基づくものとされた事案・ダイワクリエイト事件・東京地判令4.3.23労経速2394.12
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の代表者と口論になり、代表者から「目障りなので帰ってください。」「あなたにもうこの会社でしてもらう仕事はない。」「お前とは仕事ができないからやめろ。」などと告げられました。原告が、 […]
Case335 長時間労働に加え職員の時間外勤務時間を月80時間以内に修正する作業をさせられ精神疾患を発症した公務員について公務起因性が認められた事案・地方公務員災害補償基金愛知県支部長事件・名古屋地判令3.4.19労経速2458.25
(事案の概要) 公務災害を否定する処分に対する取消訴訟です。 市の職員であった原告労働者は、それまで庶務・管理的な内部事務の経験はありませんでしたが、平成19年4月に本件病院の事務強管理下に配置換えになり、職員の出張 […]
Case334 オフィスビルの入退室記録から始業時刻及び終業時刻を推認し残業代請求を認容した事案・クレディ・スイス事件・東京地判令4.4.12労判1292.55
(事案の概要) 整理解雇が有効とされた事案ですが、原告労働者の被告会社に対する残業代請求が認められています。 会社は、原告がヴァイス・プレジデントであり、就業規則上エグゼンプト社員に位置付けられるから、賃金規程により […]
Case333 警察官の拳銃自殺につき精神に不調を来している者に対して拳銃携帯義務を免除することを怠った安全配慮義務違反が認められた事案・神奈川県事件・横浜地判令4.7.29
(事案の概要) 新人警察官であった本件労働者は、仕事の悩みを積み重ね、ある日交番勤務ができなくなるほどに落ち込み、上司らに仕事を辞めようか悩んでいると述べました。上司らは本件労働者を一人で帰宅させることができないと判断 […]