今日の労働裁判例
Case438 派遣元から更新が確定した旨のメールを受信したことから初回更新の合理的期待を認め雇止めを無効とした事案・グッドパートナーズ事件・東京高判令5.2.2労判1293.59
(事案の概要) 原告は、被告会社との間で、派遣先をA社が運営する介護付有料老人ホームB、雇用期間を平成31年2月3日から同年3月31日とする有期雇用契約を締結しました。 被告会社の職員は、平成31年2月21日、原告に […]
Case437 大阪市によるアンケート調査を争う別件訴訟の提起を契機とするバス運転手から運輸課への転任命令が取り消された事案・大阪市・市交通局長(転任)事件・大阪高判平27.6.18労判1122.18
(事案の概要) 原告労働者は、被告大阪市において約20年間にわたりバスの運転手をしていました。大阪市長は、平成24年に職員の政治活動及び組合活動に関するアンケート調査を実施しました(後に不当労働行為と認定されています) […]
Case436 市職員から市の教員に任命された者は1年間の条件附採用の対象とならないとして免職処分(採用拒否)が取り消された事案・大阪市・市教委(教員・免職処分)事件・大阪高判平20.8.29労判978.41
(事案の概要) 原告労働者は平成10年に被告大阪市に事務職員として採用されました。原告は、仕事をしながら教員免許を取得し、平成16年3月31日に大阪市長から「願により本職を免じる」との、同年4月1日に市教委委員長から「 […]
Case435 主任ケアマネージャーを管理監督者と扱い残業代を支払わなかったことについて代表取締役の重過失を認定して損害賠償責任を認めた事案・そらふね元代表取締役事件・名古屋高金沢支判令5.2.22労判1294.39
(事案の概要) 原告労働者は主任ケアマネージャーとして本件会社に勤務していましたが、本件会社が居宅介護支援事業を廃止することとし原告も退職しました。その後、本件会社は解散しました。 原告は、本件会社で管理監督者扱いさ […]
Case434 骨髄増殖性腫瘍の持病を持つ豚舎職員の人畜共通病原菌であるロドコッカス・エクイ菌の感染症について公務起因性を認めた事案・地公災基金熊本県支部長(農業研究センター)事件・熊本地判令5.1.27労判1290.5
(事案の概要) 公務災害を否定する認定処分に対する取消訴訟です。 本件労働者は、熊本県農林水産部農業研究センター畜産研究所中小家畜研究室(本件研究室)の養豚エリアで、豚の餌やり、餌箱内の豚の糞や豚房に溜まった糞をスコ […]
Case433 労働者の排便障害に対する勤務配慮が労働条件として会社分割の承継会社に承継されるとした事案・阪神バス(勤務配慮・本訴)事件・神戸地尼崎支判平26.4.22・労判1096.44
(事案の概要) バス運転手である原告労働者は、A社を休職して腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けましたが、腰椎由来の神経障害により排尿・排便が困難となる障害が残りました。原告の復職にあたり、原告とA社は、原告には午後の比較的 […]
Case432 難病の重症筋無力症と診断されたことを理由に正社員からパート社員に身分変更する処分が無効とされた事案・ケントク(仮処分)事件・大阪地決平21.5.15労判989.70
(事案の概要) 本件労働者は、正社員で、飲食店の店主代行として勤務していましたが、難病の重症筋無力症と診断されました。本件会社は、本件労働者に対して、正社員から契約期間1年のパートタイマー従業員に身分変更し、週2日、1 […]
Case431 部下を指揮監督していたとしても割増賃金の支給すら決定権限を有していないことから管理監督者を否定した労災取消訴訟・国・広島中央労基署長(アイグランホールディングス)事件・東京地判令4.4.13労判1289.52
(事案の概要) 原告労働者が、労基署長が行った原告が管理監督者であることを前提とした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。 原告は、会社において、取締役会と管理本部の下にある管理本部経理部長の地位にあり、経理課と […]
Case430 休職理由である適応障害とは異なるコミュニケーション能力等の問題を理由とした自然退職扱いを無効とした事案・シャープNECディスプレイソリューションズほか事件・横浜地判令3.12.23労判1289.62
(事案の概要) 原告労働者は、職場で度々涙を流すようになり、適応障害と診断され、被告会社から平成28年3月から平成29年7月まで休職を命じられました。 原告の主治医は、原告がASD(自閉症スペクトラム)だと考えました […]
Case429 男性従業員の女子トイレへの侵入事件について会社が適切な事後対応を怠ったとして女性従業員に対する慰謝料が認められた事案・仙台セクハラ(自動車販売会社)事件・仙台地判平13.3.26労判808.13
(事案の概要) 原告労働者(女性)は、被告会社店舗の女子トイレ内の掃除用具置場内に、男性従業員Aが潜んでいたのを発見しました(本件侵入事件)。Aは、原告に対して、女子トイレの写真を撮影して雑誌に売るのぞき見目的でトイレ […]