今日の労働裁判例

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Case402 22年以上契約更新してきたアルバイトの契約は無期雇用契約とほぼ同視できるとして労契法19条1号により雇止めを無効とした事案・ジャパンレンタカー事件・名古屋高判平29.5.18労判1160.5

(事案の概要)  原告労働者は、アルバイトとして平成4年に被告会社と有期雇用契約を締結し、平成20年頃までは6か月に1回契約更新し、平成20年以降は2か月に1回契約更新し、22年以上更新を繰り返していました。  平成26 […]

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Case401 造船不況に伴う整理解雇について人選基準毎に合理性を判断し17名中14名の解雇を無効とした事案・住友重機玉島製造所事件・岡山地判昭54.7.31労判326.44

(事案の概要)  整理解雇に対する仮処分の事案です。  本件会社は、構造不況といわれる造船不況に伴い、全社的に人員削減に取り組んでいました。会社は、退職勧奨、新規採用の募集、配置転換等の措置によっては人員削減の目標に達し […]

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Case400 初めて整理解雇の4要件(要素)を明示して繊維不況を理由とした裁断縫製工の整理解雇を無効とした事案・大村野上事件・長崎地大村支判昭50.12.24労判242.14

(事案の概要)  地位保全仮処分の事件です。  本件会社は、昭和49年半ばから始まった繊維不況に伴う受注減を理由として、パジャマの裁断縫製工である本件労働者を含む29名を整理解雇しました。 (判決の要旨)  判決は、整理 […]

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Case399 労働者のセクハラの訴えに対して会社が職場環境配慮を怠ったため退職を余儀なくされたとして不就労期間の賃金や逸失利益の請求が認められた事案・P社ほか(セクハラ)事件・大阪地判令2.2.21労判1233.66

(事案の概要) 1 原告A  被告会社で秘書業務などをしていた原告労働者A(女性)は、被告役員(男性)に同行してローマ出張に赴いた際、ホテルに向かうタクシーの中で、役員から「どうや、愛人になるか」「君が首を縦に振れば、全 […]

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Case398 解雇か謝罪して賃上げ交渉を白紙にするかの選択を迫られた労働者が「もういいですよ。」などと述べたことをもって退職の合意があったとはいえないとした事案・新日本建設運輸事件・東京高判令2.1.30労判1239.77

(事案の概要)  原告労働者らは、被告会社と賃上げ等の交渉をしていました。  交渉の場において、被告代表者は、原告らに対して、解雇通知書を示しながら、解雇通知書を取るのか、それとも過去の問題行動等を謝罪するとともに、交渉 […]

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Case397 産後休業中の労働者を退職扱いして育児休業の取得を妨げたことに対して雇用契約上の地位確認及び慰謝料200万円の慰謝料等を認めた事案・医療法人社団充友会事件・東京地判平29.12.22労判1188.56

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告法人が開設する歯科クリニックにおいて歯科衛生士として勤務していました。  原告は、第1子を出産し、産後休業に入りました。その後まもなく、法人の理事長から原告に対して「復帰の時期 […]

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Case396 弁護士からSNS改ざんの疑いをかけられ「もう来なくていい」と言われたことに対して事務員が「こんなとこ働けんわ」と立ち去ったことが合意解約の意思表示とはいえないとされた事案・乙山法律事務所事件・東京地判平27.3.11判時2274.73

(事案の概要)  原告労働者は、弁護士である被告の事務所で事務員として働いていましたが、ある日深夜から早朝にかけて被告から複数の着信履歴とメールがありました。原告が早朝に被告に電話すると、被告は、原告が被告のFacebo […]

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Case395 「このままでは30日後に解雇する」旨の会社の発言は確定的な解雇の意思表示ではなく解雇予告に当たらないとして解雇予告手当の請求が認められた事案・全国資格研修センター事件・大阪地判平7.1.27労判680.86

(事案の概要)  被告会社は、原告労働者が売上ノルマを達成していないとして、原告に対して「がんばってもらわないと、このままでは30日後に解雇する」旨を告げ、その1か月後をもって原告を解雇しました。  会社は、上記発言をも […]

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Case394 周知された早期退職者優遇規程の内容と同一の退職合意が成立していたとして規程通りの増額退職金の支払請求が認められた事案・朝日広告社事件・大阪高判平11.4.27労判774.83

(事案の概要)  被告会社は、人件費削減のため、平成6年度から毎年、取締役会で早期退職制度の対象年齢と増額退職金額等を決議し、その内容を早期退職者優遇規程として従業員に回覧していました。  会社の取締役会は、平成9年度の […]

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Case393 小料理店を経営する個人が死亡しても板前との雇用契約が終了せず相続人が使用者の地位を承継するとされ廃業を理由とする解雇も無効とされた事案・小料理屋「尾婆伴」事件・大阪地決平1.10.25労判551.22

(事案の概要)  本件労働者は、A個人が経営する小料理店で板前として勤務していました。  Aが死亡し、Aの母であるBが小料理店にかかわる権利義務関係を相続承継しました。Aが入院・死亡した後も、本件労働者が店の経営を続けて […]

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