今日の労働裁判例
【不当解雇、契約締結上の過失】Case581 学部新設のための教員審査に合格した労働者を不採用としたことが不法行為に当たるとした事案・学校法人東京純心女子学園(東京純心大学)事件・東京地判平29.4.21労判1172.70
(事案の概要) 原告労働者ら2名は、被告学校法人から、A学部設置への協力や同学部教員としての採用を打診され、これに協力することとしました。原告1は、A学部設置前の1年間、職場の大学から被告法人への出向の形で、A学部設置 […]
【労災、過労死、脳心臓疾患、損害賠償】Case580 部活の顧問等による教員の過労死について校長の安全配慮義務違反が認められた事案・滑川市・富山県事件・富山地判令5.7.5労判1321.60
(事案の概要) 本件労働者は、被告市が設置する本件中学校で教員をしていました。本件労働者は、担任や理科の授業のほか、部活の顧問として平日の朝及び放課後の練習の指導、休日の練習ないし試合の引率などを行っていましたが、自宅 […]
【不当解雇、契約締結上の過失、損害賠償】Case579 待遇面で合意できず雇用契約締結に至らなかったことについて契約締結上の過失が認められた事案・ユタカ精工事件・大阪地判平17.9.9労判906.60
(事案の概要) 銀行で支店長等を歴任していた原告労働者は、被告会社から経営再建への協力を要請され、被告会社への転職を決意しましたが、被告会社から待遇の話はありませんでした。原告が銀行に退職届を提出した後、被告会社は、原 […]
【不当解雇、契約締結上の過失】Case578 採用過程で予定されていた職場を用意できず就労に至らなかったことについて使用者の損害賠償責任が認められた事案・わいわいランド(解雇)事件・大阪高判平13.3.6労判818.73
(事案の概要) 保育所を経営する被告会社は、Z社から保育ルームの業務委託を受けることを見込んで、原告労働者A及びBに就職の勧誘を行い、原告らに雇入通知書等を交付しました。原告Aはこれを承諾し就労開始日も決定していました […]
【不当解雇、契約締結上の過失、損害賠償】Case577 採用の勧誘をうけたため前職を退職し職を失ったことにつき逸失利益の賠償を認めた事案・かなざわ総本舗事件・東京高判昭61.10.14金融商事判例767.21
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社から幹部社員としての採用の勧誘を受けました。原告は、被告会社へ入社するため、当時取締役・総務部長として勤めていた前職を退職することとし、被告会社はそのことを認識しながらこれを制止し […]
【労災、過労死、脳心臓疾患】Case576 長時間の時間外労働に加え連続勤務及び勤務間インターバルの不足などの負荷要因を認めて脳血管疾患の業務起因性を肯定した事案・国・岡山労基署長(日本電気)事件・福岡高判令5.9.26労判1321.19
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件会社で支店長として働いていた本件労働者は、会社の会議に参加していた際、右被殻出血(本件疾病)を発症し、救急搬送され治療を受けましたが、約2年後に本件疾病により […]
【不当解雇、フリーランス、夜職、損害賠償】Case575 ホストの労働者性を肯定し未払賃金や違法な解雇による慰謝料の請求を認めた事案・賃金等請求事件・東京地判平27.7.14判例秘書L07030779
(事案の概要) 原告労働者は、被告が個人で営業する本件クラブでホストとして働いていました。 原告は、本件クラブを含む複数のクラブを統括するAから暴行を受けたのち、被告から解雇されました。 原告の給与からは、「預り金 […]
【フリーランス、夜職】Case574 ホステスの労働者性を認め罰金、厚生費及び仮受金名目の賃金控除を無効とした事案・第三相互事件・東京地判平22.3.9労判1010.65
(事案の概要) 本件は、本件クラブでホステスとして働いていた本件労働者が、本件クラブを運営する本件会社に対して、本件入店契約が労働契約に当たるとして未払賃金の支払を求めた事案です。 会社の就業規則には、以下の罰金条項 […]
【退職金、懲戒処分】Case573 企業秩序違反事件の調査のための出社要請を拒否したこと等を理由とする退職金減額を無効とした事案・労働政策研究・研修機構事件・東京高判平17.3.23労判893.42
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人の情報資料部資料管理課などで勤務したのち自己都合退職しました。法人は、原告が①就業時間中に業務用パソコンを使用して、業務上必要のない他部署の文書データに少なくとも百五十数回にわたっ […]
【不当解雇、フリーランス、夜職】Case572 口座制を採用するホステスについて考慮要素に従って労働者性を認めた事案・クラブ「イシカワ」(入店契約)事件・大阪地判平17.8.26労判903.83
(事案の概要) 原告労働者は、被告と本件入店契約1を締結し、被告が経営する本件クラブでホステスとして稼働していました。原告は、一度退店し、再度被告と本件入店契約2を締結しました。 被告は、原告に対して、本件入店契約2 […]