今日の労働裁判例
【損害賠償】Case568 経歴詐称による営業活動に従事させられたことなどに対する損害賠償請求が認められた事案・SES会社経営者ら事件・東京地判令6.7.19労判1322.14
(事案の概要) 原告労働者ら3名が、SES会社であるA社の代表取締役である被告1並びにB社及びD社の元代表取締役である被告2に対して損害賠償請求した事案です。 原告1は、A社の求人に応募して採用内定を受け、代金60万 […]
【残業代】Case567 始業前の体操の労働時間性を認め給与からの寮費の控除を違法とした事案・ナルシマ事件・東京地判令3.10.14労判1320.70
(事案の概要) 外国人労働者である原告らが、被告会社に対して残業代等を請求した事案です。 原告らの始業時刻は午前9時とされていましたが、会社作成のスケジュール書面には、1日のスケジュールとして、8時40分にタイムカー […]
【残業代、裁量労働制、損害賠償】Case566 2度の過半数代表者選挙が無効とされたうえ理事が選挙活動に不当に介入したことが不法行為に当たるとされた事案・学校法人松山大学ほか事件・松山地判令5.12.20労判1320.5
(事案の概要) 被告学校法人が設置する本件大学の教職員である原告労働者ら3名が、専門業務型裁量労働制の無効を主張して残業代請求した事案です。原告Aは、被告法人及び常務理事である被告教授に対して、過半数代表者の選出に違法 […]
【労働組合、不当労働行為】Case565 組合の一部残業拒否闘争に対抗して会社が組合員に一切の残業をさせない措置をとったことが不当労働行為に当たるとされた事案・国・中労委(トールエクスプレスジャパン)事件・東京高判令5.4.26労判1319.139
(事案の概要) 原告会社が、不当労働行為救済命令に対して起こした取消訴訟です。 運送業を営む原告会社では、時間外手当の一部を能率手当から控除する賃金体系が採られており、本件労働組合の組合員らは会社の賃金体系が違法であ […]
【損害賠償、名誉毀損】Case564 外国人労働者のパスポートを管理し返還しなかったことが公序良俗に反し違法とされるなどした事案・アドバンスコンサル行政書士事務所事件・横浜地判令6.4.25労判1319.104
(事案の概要) 原告労働者の本訴に対して、被告行政書士が反訴した事案です。 1.本訴事件 フィリピン人女性である原告は、留学ビザで来日し、平成31年3月、被告との間で、原告の在留資格を「技術・人文知識・国際業務」(技 […]
【不当解雇、休職】Case563 週刊誌の取材に回答したことや刑事告発をしたことを理由とする解雇及び精神障害による欠勤を理由とする解雇が無効とされた事案・大津漁業協同組合事件・東京高判令7.1.23
(事案の概要) 本件は、被告漁協から解雇された原告労働者2名が、漁協に対して解雇の無効を主張して雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。 原告A 原告Aは、①週刊誌記者から取材を受け、漁協が茨城県作成の「しらす試験操 […]
【労災、過労死、脳心臓疾患】Case562 家政婦兼訪問介護ヘルパーにつき家事使用人に該当しないとして労災認定した事案・国・渋谷労基署長(山本サービス)事件・東京高判令6.9.19労判1319.61
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 被災者は、訪問介護事業及び家政婦紹介あっせん事業等を営む本件会社に家政婦兼訪問介護ヘルパーとして登録し、平成27年5月20日から同月27日朝までの間、要介護者であ […]
【残業代、変形労働時間制】Case561 月間スケジュールによる1か月単位の変形労働時間制を無効とし日中手当が深夜割増賃金の算定基礎賃金に含まれるとした事案・社会福祉法人幹福祉会事件・東京高判令5.10.19労判1318.97
(事案の概要) 障害者福祉サービスを提供する被告会社で、ケアスタッフとして居宅支援サービス等の業務に従事していた原告労働者の残業代請求事件です。 1 変形労働時間制 本件では1か月単位の変形労働時間制の有効性が争点と […]
【労災】Case560 同僚を怒鳴りつけたことが自招行為に当たらないとして同僚から受けた暴行による負傷について業務起因性を認めた事案・国・向島労基署長事件・東京地判令6.1.24労経速2561.33
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 トレーラーの運転手である原告労働者は、乗務を終えて駐車場に車両を駐車して降車したところ、後から隣に駐車しようとした同僚Aに対して「コラー」「あぶねーだろうがよ」等 […]
【不当解雇、退職勧奨、PIP】Case559 PIPを経て行われた能力不足解雇が十分な指導・教育が行われていないとして無効とされた事案・華為技術日本事件・東京地判令6.3.18労経速2563.20
(事案の概要) 原告労働者は、情報通信機器の開発等を行う被告会社に月給60万円のデジタルマーケティングマネージャーとして中途採用され、2018年8月から勤務を開始しました。 会社は、2019年9月から同年10月までの […]