国賠

今日の労働裁判例
Case360 警察学校入学者に対して無断でHIV検査を行い陽性であったことを理由に辞職勧奨した行為がプライバシー侵害の違法行為であるとされた事案・東京都(警察学校・警察病院HIV検査)事件・東京地判平15.5.28労判852.11

(事案の概要)  原告労働者は、警視庁警察官採用試験に合格し、警察学校に入学手続きをして警察官に任用されました。その後、原告らは身体検査の一環として血液を採取されましたが、これがHIV検査であることは説明されませんでした […]

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Case309 屋外建設作業に従事する者との関係で国と建材メーカーの責任を否定した最高裁判例・建設アスベスト訴訟(京都)事件・最判令3.5.17労判1259.33

(事案の概要)  石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安 […]

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Case308 石綿被害につき一人親方の保護を認めた最高裁判例・建設アスベスト(大阪)事件・最判令3.5.17労判1268.5

(事案の概要)  石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安 […]

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Case307 国が石綿工場に局所排気装置の設置を義務づけなかったことが国賠法上違法であったとした最高裁判例・泉南アスベスト訴訟・最判平26.10.9民集68.8.799

(事案の概要)  本件は、大阪府泉南地域に存在した石綿工場の元従業員やその遺族である原告らが、国による石綿の粉じん規制が不十分であったため石綿工場での作業により石綿肺などの石綿関連疾患にり患したと主張して国家賠償を求めた […]

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Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5

(事案の概要)  懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。  原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]

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Case286 パワハラ・セクハラによるうつ病発症後の配置転換等についても国の安全配慮義務違反が認められた事案・国・高松刑務所事件・高松高判令4.8.30

(事案の概要)  新人刑務官として勤務していた原告労働者(女性)は、先輩職員Aに小部屋に呼び出され「私仕事せん奴大嫌いやけん。お前は刑務官の服着たお人形さんや。今は新人やけん許されとるけど、ちゃんとやらんかったら見捨てら […]

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Case260 私生活の非行を理由として行われた警察官に対する執拗な退職勧奨等が違法であるとして慰謝料請求が認められた事案・山口県事件・広島高判令4.4.21判時2550.43

(事案の概要)  原告労働者は、山口県警察の警察署で警察官として勤務していました。  原告は、私生活で多額の借金を抱えており(借金問題)、既婚女性と不貞関係にありました(女性問題)。  警察署長らは、借金問題と女性問題を […]

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Case246 適応障害による休職後トラウマを訴え強く異動を求める職員を漫然と同じ職場で働かせ続けたことが国賠法上違法とされた事案・千代田区事件・東京高判令4.5.20

(事案の概要)  千代田区の福祉職員である原告労働者(男性)は、平成24年4月からA保育園で保育士として勤務するよう命じられましたが(本件異動)、すぐに適応障害を発症し約1年間欠勤・休職しました。原告は、A保育園に復職し […]

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Case239 市の責任者が記者に対してした性的暴行やその後の二次被害防止義務違反について国賠法上の責任が認められた事案・長崎市事件・長崎地判令4.5.30

(事案の概要) 原告(女性)は、訴外会社に勤務する記者でした。原告は、被告長崎市の平和記念式典(本件式典)の取材に関連して、長崎市の原爆被爆対策部長であったC部長から、同意のない性的暴行(本件暴行)を受けました。 C部長 […]

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Case176 うつ病の既往歴がある職員が上司のパワハラを訴えていたにもかかわらず適切な対処がなされず自殺に至ったことについて市の安全配慮義務違反が認められた事案・さいたま市(環境局職員)事件・東京高判平29.10.26労判1172.26

(事案の概要) 本件労働者は、前職場において「うつ病、適応障害」の診断で89日間の病気休暇を取得した半年後に、被告市環境局のセンターに異動し業務主任として勤務していました。 本件労働者は、指導係である上司から暴行を含むパ […]

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