退職金
Case327 労働者が中退共から受け取る退職金のうち社内規程に基づく退職金額を超える差額を会社に返還する旨の労働協約及び合意の効力が民法90条により無効とされた事案・タイムス物流事件・大阪地判令4.12.22
(事案の概要) 原告会社が被告労働者を訴えた事件です。 会社には、会社が中退共に退職金を積み立てるかわりに、従業員が中退共から受け取る退職金のうち、社内規程に基づく退職金の額を超える差額は従業員が会社に返還する旨の労 […]
Case295 労働者が在職中に会社の業務妨害の予備行為を行ったことが懲戒解雇事由に該当するものの退職金の返還は認められないとした事案・ジブラルタ生命保険事件・東京地判令4.6.10労経速2504.27
(事案の概要) 原告会社が被告労働者2名に対して退職金の返還を求めた事案です。 被告労働者らは、原告会社を退職し、退職金の支給を受けました。 その後、被告労働者らが、原告会社在職中に、退職後に顧客を訪問し、原告会社 […]
Case268 酒気帯び運転で逮捕された高校教諭の懲戒免職処分は有効としたが退職手当不支給処分のうち3割を支給しないとした部分のみ取り消した事案・宮崎県・県教委事件・仙台高判令4.5.26
(事案の概要) 被告宮城県の公立高校で教員をしていた原告労働者(勤続30年)は、勤務先の歓迎会で飲酒した帰りに自動車を運転し物損事故を起こし、酒気帯び運転で逮捕されました。 県教育委員会は、原告を懲戒免職処分とし、退 […]
Case242 仮に未収金の回収が完了するまで退職金を支払わない旨の合意があったとしても自由な意思に基づくものでなく無効であるとされた事案・千田事件・大阪地判令4.5.20
(事案の概要) 本件は、被告会社を定年退職した原告労働者が、会社に対して退職金を請求した事案です。 会社は、原告との間で、原告が未収金の回収を完了しなければ退職金を支払わない旨の合意が成立していると主張しました。 ( […]
Case210 保険商品の販売にかかるノウハウは本人の能力と努力によるものであるとして保険会社の元執行役員に対する競業避止条項が無効とされた事案・アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー事件・東京高判平24.6.13
(事案の概要) 原告労働者は、外国保険業者である被告会社に勤務し、日本支店において金融法人本部長と執行役員を兼任し、月額131万円等の給与を得ていましたが、退職しました。 原告と会社の合意では、会社と競合する生命保険 […]
Case194 民法627条の2週間の退職予告期間を就業規則により延長することはできず退職に会社の許可を必要とすることもできないとした事案・高野メリヤス事件・東京地判昭51.10.29労判264.35
(事案の概要) 被告会社の就業規則には「退職を希望する場合は遅くとも1か月前、役付者は6か月前以前に退職願を提出し、会社の許可を得なければならない」と定められていました。 役付者(係長)である原告労働者は、3か月前に […]
Case191 会社が不正経理の疑いのある労働者の退職を認めないとしても退職届の提出から2週間で退職の効力が生じその後の懲戒解雇は無効とした事案・エスエイピー・ジャパン事件・東京地判平14.9.3労判839.32
(事案の概要) 原告労働者2名による不正経理問題が発覚し、その直後に原告Aは即日退職する旨の退職届を、原告Bは即日退職する旨の退職届と有給休暇届を同時に提出し、その後出社しませんでした。会社は、原告らの退職を認めないと […]
Case178 賃金減額規定が、減額事由、減額方法、減額幅等の点において基準としての一定の明確性を有するものでなければ個別の賃金減額の根拠たり得ないとした事案・ ユニデンホールディングス事件・東京地判平28.7.20労判1156.82
(事案の概要) 被告会社は、賃金規程の以下の規定を根拠に原告労働者を部長職から課長職へ降格し、賃金を減額しましたが、原告は特に異議を述べていませんでした。 ・昇降給は、月例給について行う。昇降給は、部署の業績および個人 […]
Case157 2年前の職務怠慢を理由に給与を自主返納する旨の念書による賃金放棄が労働者の自由な意思に基づくものとはいえないとされた事案・ジー・イー・エス事件・大阪地判平31.2.28
(事案の概要) メンテナンス作業の責任者であった原告労働者は、メンテナンス作業の不手際を契機に被告会社が取引先から契約を打ち切られ、損害賠償請求訴訟を提起されたことに関して、当該事件の2年後に「私は、自らの職務怠慢で、 […]
Case137 懲戒解雇の場合の退職金不支給条項につき全額不支給及び一部不支給が有効となる場合を制限した事案・小田急電鉄(退職金請求)事件・東京高判平15.12.11労判867.5【百選10版34】
(事案の概要) 原告労働者は、過去に2度、電車内での痴漢行為により罰金刑に処せられ、2度目は被告会社から昇給停止及び降職処分を受け始末書を提出していました。 原告が再び電車内での痴漢行為により執行猶予付きの懲役刑に処 […]