労災
Case293 労災保険の特別加入者である取締役が行った車両の探索・下見が労働者の行う業務に準じた業務の範囲外であるとした労災不支給決定が取り消された事案・国・川越労基署長(サイマツ)事件・東京地判令3.4.5労判1278.80
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、運送業を行う本件会社の取締役で、運転業務について労災保険に特別加入していました。 原告は、会社で購入する車両の探索・下見のためオークション会場に赴いた際 […]
Case284 従業員が雨に濡れた屋外階段で滑って転倒したことについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案・第一興商事件・東京高判令4.6.29
(事案の概要) 被告会社が運営する本件店舗では、調理担当従業員が屋外にある本件階段を使って食材の運搬等をしていました。その際に使用されていた本件サンダルは、裏面が摩耗して滑りやすくなっており、複数の従業員が階段で足を滑 […]
Case264 長時間労働によるうつ病の発症については予見可能性がなかったもののその後の自殺について安全配慮義務違反が認められた事案・奈良県事件・奈良地判令4.5.31
(事案の概要) 本件は、長時間労働の末に自殺した被告奈良県の職員(被災者)の両親が、県に対して損害賠償請求した事案です。 被災者は、平成27年3月から同年4月にかけて、1か月当たり150時間を超える時間外勤務に従事し […]
Case245 「強」に近い長時間労働と被災者の起こした事故を合わせて心理的負荷の強度を「強」として業務起因性を認めた事案・国・名古屋北労基署長(ヤマト運輸)事件・名古屋地判令2.12.16労判1273.71
(事案の概要) 本件は、本件会社でセンター長として勤務していた被災者が自殺したことについて、妻である原告が過労死として労災申請をしたところ業務起因性がないとして不支給決定となったため、その取消を求めた事案です。 被災 […]
Case237 業務中の同僚の故意の暴行による負傷について業務起因性を認めて労災不支給決定を取り消した事案・国・豊橋労基署長(丸裕)事件・名古屋地判令4.2.7労判1272.34
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 本件会社の従業員である原告労働者は、本件会社が経営するホテル内で調理業務に従事していた際、ホテル従業員Aに指示をしたところAから暴行を受け、頚部等を負傷したため、 […]
Case234 元代表取締役の労働者に対する言動による精神疾患発症について業務起因性及び会社の安全配慮義務違反が認められた事案・葵宝石事件・東京地判令4.2.17
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の事務所で勤務していました。原告は、事務所に居住する元代表取締役Aから、買物等の日常的な雑務を行うよう指示され、指示に従わなければ解雇する旨や、早朝からの出勤を求められる等の言動を […]
Case232 顧客車両の運行・保守管理を業務とする運転手について自宅近くの車庫と顧客の自宅を顧客車両で移動する時間が労働時間に当たるとして過労死に対する会社の安全配慮義務違反が認められた事案・セーフティ事件・横浜地判令4.4.27労働判例ジャーナル125.1
(事案の概要) 本件労働者は、会社役員車等の運行・保守管理の請負等を業とする被告会社に雇用され、顧客の役員付の運転手として勤務し、月平均約150時間の時間外労働の末、勤務中に心筋梗塞を発症して死亡しました。本件労働者に […]
Case189 元請会社の現場で起きた落下事故について下請会社の労働者に対する元請会社の安全配慮義務違反が認められた事案・大石塗装・鹿島建設事件・最判昭55.12.18労判359.58【百選10版50】
(事案の概要) 本件労働者は、被告A社に雇用され、元請会社である被告B社の現場で働いていましたが、地上31メートルの足場で塗装工事に従事している際、地上に落下し死亡しました。本件労働者が命綱を付けておらず、養生網に隙間 […]
Case186 歓送迎会から職場に戻る際に起きた交通事故に業務起因性が認められた最高裁判例・国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件・最判平28.7.8労判1145.6【百選10版46】
(事案の概要) 本件労働者は、親会社から出向して本件会社で働いていました。 本件会社において、親会社の中国子会社から受け入れていた中国人研修生の歓送迎会を行うことになりました。本件労働者は、資料作成の期限が翌日である […]
Case176 うつ病の既往歴がある職員が上司のパワハラを訴えていたにもかかわらず適切な対処がなされず自殺に至ったことについて市の安全配慮義務違反が認められた事案・さいたま市(環境局職員)事件・東京高判平29.10.26労判1172.26
(事案の概要) 本件労働者は、前職場において「うつ病、適応障害」の診断で89日間の病気休暇を取得した半年後に、被告市環境局のセンターに異動し業務主任として勤務していました。 本件労働者は、指導係である上司から暴行を含むパ […]