懲戒処分
Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5
(事案の概要) 懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。 原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]
Case299 生命保険募集人としての権限・地位を濫用して顧客に契約をさせた事実は認められないとして懲戒解雇が無効とされた事案・日本郵便事件・札幌地判令4.12.8労経速2511.3
(事案の概要) 原告労働者は、保険販売員として、被告会社がかんぽ生命から委託を受けていた保険募集業務を行っていました。 原告は、保険契約者の意向に沿わない保険商品を提案し、乗換契約に伴う不利益を契約者に告知せず、自ら […]
Case231 プライベートで元交際相手に傷害を負わせたとして刑事裁判を受けていた労働者に対する起訴休職処分が無効とされた事案・全日本空輸事件・東京地判平11.2.15労判760.46【百選10版64】
(事案の概要) 被告航空会社に機長として雇用される原告労働者は、平成8年4月、プライベートで元交際相手(会社の元客室乗務員)に傷害を負わせたとして逮捕され、罰金10万円の略式命令を受けて釈放されました。原告は、同年5月 […]
Case229 7年以上前の上司への暴行を理由とする諭旨退職処分を時間の経過により無効とした最高裁判例・ネスレ日本事件・最判平18.10.6労判925.11【百選10版54】
(事案の概要) 原告ら労働者2名は、被告会社と対立的な関係にある労働組合の中心的人物でした。原告らは、平成5年から平成6年にかけて、上司が原告Bの病気欠勤の年休への振替を繰り返し認めなかったことが組合への攻撃であると考 […]
Case228 私生活上の住居侵入罪を理由とする懲戒解雇を無効とした最高裁判例・横浜ゴム事件・最判昭45.7.28民集24.7.1220【百選10版59】
(事案の概要) 原告労働者は、他人の住居に侵入し、家人に見つかり逃走しましたが逮捕され、住居侵入罪により罰金2500円に処されました。この噂は、被告会社の工場周辺の住民や従業員に広まりました。 会社は、就業規則上の懲 […]
Case214 約1年半の間に100回にわたり旅費を不正請求したことを理由とする懲戒解雇が、同等の行為をした従業員が停職処分であったことなどから無効とされた事案・ 日本郵便(北海道支社・本訴)事件・札幌高判令3.11.17労判1267.74
(事案の概要) 被告会社で広域インストラクターとして勤務していた原告労働者は、約1年半の間に、100回にわたり①社用車で出張先に赴きながら公共交通機関を利用したものと虚偽の旅費請求書等を提出して約195万円(うち不正受 […]
Case206 代表者に消極意見や反対意見を述べたこと等を理由に部長職から一般職へ降格し給与を8万5000円減額した処分等が違法無効とされ慰謝料も認められた事案・ ビジネスパートナーほか事件・東京地判令4.3.22労判1269.47
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の子会社に取締役として出向し部長職に就いていましたが、営業部全体の統括を打診されて難しいと答えたり、被告代表者に反対意見を述べたところ、被告代表者から辞職を強く促され、自宅待機を命 […]
Case190 懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は特段の事情のない限り当該懲戒の理由にならないとした最高裁判例・山口観光事件・最判平8.9.26労判708.31【百選10版53】
(事案の概要) 原告労働者が被告会社に対して、疲労困憊のため翌日から2日間休みたいと申し入れたところ、会社は出勤拒否を理由に原告を懲戒解雇ないし普通解雇しました。 原告が申し立てた地位保全等仮処分において、会社は、原 […]
Case181 就業規則に36協定の範囲内で残業を命じる旨定められその内容が合理的な場合には労働者は時間外労働義務を負うとした最高裁判例・日立製作所武蔵工場事件・最判平3.11.28労判594.7【百選10版38】
(事案の概要) 原告労働者の上司は、原告の手抜き作業による異変を発見し、原告に対して残業して原因の究明とやり直しを命じましたが(本件残業命令)、原告はこれを拒否して帰宅しました。 被告会社の就業規則には、36協定によ […]
Case153 病気休暇取得中に起きた部下の私生活上の不祥事について管理監督義務の懈怠があったとはいえないとして戒告処分が取り消された事案・みよし広域連合事件・高松高判令4.2.22
(事案の概要) 懲戒処分の取消し等を求める行政訴訟です。 原告労働者は、三好市・東みよし町によって構成される広域連合である被告連合が設置・運営する消防本部の長を務めていました。 原告がうつ病により病気休暇を取得して […]