Case13 組合員の言動を理由とする損害賠償請求が否定された事案・首都圏青年ユニオン執行委員長ほか事件・東京地判令2.11.13労判1246.64

(事案の概要)

 労働組合と団体交渉をしていた会社の執行役員であった特定社会保険労務士(原告)が、団体交渉時の組合員の言動、SNSへの投稿(「平気で噓をつくブラック社労士やなりすまし社労士」など)により名誉を毀損されたなどとして、労働組合やその役員らに対して損害賠償請求した事案です。

 原告の本件訴訟提起に対して、組合の役員は雑誌で事実経緯や本件訴訟提起が組合つぶしのスラップ訴訟である等の内容を含む記事(本件記事)を執筆し、原告はこれも名誉毀損にあたるとして本件訴訟の請求原因に加えました。

 なお、原告は、本件組合と名称の酷似した「首都圏青年ユニオン連合会」を結成したことを公表して本件組合の活動を批判したり、その名称を商標登録出願し拒絶査定を受けたりしていました。

(判決の要旨)

 判決は、本件組合の表現が意見ないし論評の域を逸脱したものではないなどとして、原告の請求をいずれも棄却しました。

 本件記事についても、原告による本件訴え提起の目的は、本件組合の活動を指弾し、これに掣肘を加えることにもあることが窺われるなどとして、不法行為責任は成立しないとしました。

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