Case25 着替え時間の残業代や天引きされた賠償金の返還等が認められた事案・アートコーポレーションほか事件・東京高判令3.3.24労判1250.76

(事案の概要)

 引越作業員である原告らが、会社に対して、残業代の支払いや給与から天引きされた賠償金の返還等を求めた事案です。

 原告らは、主に①着替え時間の残業代の支払い、②天引きされた引越事故責任賠償金の不当利得返還、③通勤手当ないし通勤手当相当額の賠償金の支払い、④業務に使用していた携帯電話代金の不当利得返還請求、⑤賃金から控除された労働組合費の不当利得返還(労働組合を被告として)を請求していました。

(判決の要旨)

 判決は、①会社において制服を着用することが義務付けられ、朝礼の前に着替えを済ませることになっていたところ、その時間および朝礼の時間は、社会通念上相当と認められる限り労働時間に該当するとした原判決を維持しました。

 また、②原告らが引越事故責任賠償金名目で支払った金員について、会社の賠償規程に基づくものとは認められず、法律上の原因がないとして返還請求を認めた原判決を維持しました。

 さらに、③正社員とアルバイトとの間の通勤手当にかかる労働条件の相違が、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原判決を維持しました。

 ④と⑤については、これを棄却した原判決を維持しました。

 原判決が認めなかった付加金について、未払残業代を一部認めた原判決以降も会社が不合理に支払拒絶を継続していることから、会社に付加金の支払いを命じました。

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