Case94 就業規則中の運行手当明細表の改定による不利益変更の合理性が否定された事案・中野運送店事件・京都地判平26.11.27労判1124.85
(事案の概要)
被告会社は、経営上の理由から就業規則の運行手当明細表を変更し(本件改定)、原告ら運転手の賃金を減額しました。
本件は、原告ら13名が、運行手当明細表の不利益変更の無効を主張し、変更前の運行手当明細表に基づく賃金支給を受けるべき労働契約上の地位の確認や差額賃金の支払等を求めた事案です。
(判決の要旨)
判決は、会社の経営状態からして本件改定の一応の必要性は認められるとしましたが、現時点で本件改定を行わなければならないとするだけの高度の必要性は見当たらず、労働者や労働組合に対する十分な説明も行われていないこと、原告らに与える不利益が少なくないこと、代償措置もとられていないこと等から、本件改定に合理性があるとはいえないとして、本件改定を無効とし原告らの請求を認めました。
※控訴後和解