Case172 市営公園の指定管理者である法人の職員について法人が指定管理者である限り雇用契約が更新される合理的期待を有していたとした事案・公益財団法人埼玉県公園緑地協会・狭山市事件・さいたま地判令3.4.23労判1264.57

(事案の概要)

 原告労働者ら2名は、元々被告狭山市が設置した公社の職員として、本件公園内の本件動物園に勤めていましたが、狭山市は平成25年度以降公社を廃止して本件公園の指定管理者を一般公募することとしました。

 公社の職員で結成された労働組合らが狭山市らと交渉した結果、狭山市は平成25年度の指定管理者の募集要項等に、本件動物園の公社の職員を引き続き雇用すること、5年間の指定期間満了後も元公社の職員が本件動物園で勤務できるよう誠意をもって対応すること等を明記しました。

 平成25年4月、原告らは本件公園の管理者に指定された被告協会と有期雇用契約を締結しましたが、2回の契約更新を経たうえ協会から平成30年3月に雇止めされました。

 協会は原告らに対して契約期間が5年間であると説明し、2回目の更新の際には契約書に不更新条項も付されていましたが、管理者としての指定が更新された場合に本件雇用契約がどうなるのかについては明確な説明がありませんでした。

 協会の本件公園管理者としての指定は平成30年4月以降も更新されました。

 本件は、原告らが協会に対して、雇止めの無効を主張して雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

 なお、原告Aは予備的に狭山市に対して国家賠償請求をしましたが、不適法な主観的予備的併合に当たるとして却下されました。

(判決の要旨)

 判決は、労働組合と狭山市らとの協定に基づく平成25年度の指定管理者の募集要項等の内容から、原告らは、協会と雇用契約を締結する時点で、少なくとも協会が本件公園の指定管理者である限り、狭山市の要請に従って平成30年4月以降も雇用契約が更新されるとの合理的な期待を有していたとしました。

 また、2回目の更新の際に不更新条項が付されていたとしても、原告らとしては、協会が次期指定を受けられるか未確定であるためこのような条項を入れざるを得ず、次期管理者に指定された場合には引き続き雇用が継続されるものと理解していたのであり、更新の合理的な期待が失われたということはできないとし、本件雇止めを無効としました。

※控訴後和解

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