2022年9月
Case193 自宅を事務所とするよう命じられたことを理由とする有期雇用契約の即時解約は会社の故意過失によるものであるとして残期間の賃金相当額の賠償を認めた事案・マガジンプランニング事件・京都地判平23.7.4労旬1752.83
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社の大阪支店で働いていましたが、会社は、原告以外の大阪支店の従業員が退職するのに伴い、大阪支社を廃止することにしました。 原告は、本社所属の大阪事務所の駐在員として、会社と新たに1 […]
Case192 退職願を人事部長が受理した時点で合意退職申込みに対する会社の承諾があったとし以後の退職願の撤回を認めなかった最高裁判例・ 大隈鐵工所事件・最判昭62.9.18労判504.6【百選10版68】
(事案の概要) 原告労働者から政治団体の勧誘を受けたことがきっかけで失踪した従業員の調査のため、被告会社の人事部長らが原告と面談した際、原告は、呆然自失で沈黙したのち、突然退職すると告げて、慰留も拒んで退職願を提出し、 […]
Case191 会社が不正経理の疑いのある労働者の退職を認めないとしても退職届の提出から2週間で退職の効力が生じその後の懲戒解雇は無効とした事案・エスエイピー・ジャパン事件・東京地判平14.9.3労判839.32
(事案の概要) 原告労働者2名による不正経理問題が発覚し、その直後に原告Aは即日退職する旨の退職届を、原告Bは即日退職する旨の退職届と有給休暇届を同時に提出し、その後出社しませんでした。会社は、原告らの退職を認めないと […]
2022.9.7 ラジオ出演
名古屋のZIP-FM 77.8【SUPER CAST】に出演し、退職代行についてお話しました。 Twitterで退職代行について発信したところ、反響が多く出演となりました。 1週間はRadikoでアーカイブを視聴可能です […]
Case190 懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は特段の事情のない限り当該懲戒の理由にならないとした最高裁判例・山口観光事件・最判平8.9.26労判708.31【百選10版53】
(事案の概要) 原告労働者が被告会社に対して、疲労困憊のため翌日から2日間休みたいと申し入れたところ、会社は出勤拒否を理由に原告を懲戒解雇ないし普通解雇しました。 原告が申し立てた地位保全等仮処分において、会社は、原 […]
Case189 元請会社の現場で起きた落下事故について下請会社の労働者に対する元請会社の安全配慮義務違反が認められた事案・大石塗装・鹿島建設事件・最判昭55.12.18労判359.58【百選10版50】
(事案の概要) 本件労働者は、被告A社に雇用され、元請会社である被告B社の現場で働いていましたが、地上31メートルの足場で塗装工事に従事している際、地上に落下し死亡しました。本件労働者が命綱を付けておらず、養生網に隙間 […]
Case188 上司ともみ合いになっただけでは暴行があったとはいえないとして懲戒解雇及び普通解雇が無効とされた事案・シナジー・コンサルティング事件・東京地判令3.2.15労判1264.77
(事案の概要) 本件は、原告労働者が、上司に暴行を加えたことなどを理由に懲戒解雇ないし普通解雇された事案です。 原告と上司は、職場で口論になり、お互い近づきつかみ合うなどし、同僚に制止されました。その際、原告は頚椎捻 […]
Case187 シフト制の医師につき固定した勤務日および勤務時間の合意があったとしてシフト削減を無効とした事案・医療法人社団新拓会事件・東京地判令3.12.21労判1266.44
(事案の概要) 原告労働者は、医師として被告法人とアルバイト雇用契約を締結していました。原告は当初、法人が募集した曜日・時間帯のシフトにその都度応募し勤務するスポットという形式で働いていましたが、固定の曜日・時間帯のシ […]
Case186 歓送迎会から職場に戻る際に起きた交通事故に業務起因性が認められた最高裁判例・国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件・最判平28.7.8労判1145.6【百選10版46】
(事案の概要) 本件労働者は、親会社から出向して本件会社で働いていました。 本件会社において、親会社の中国子会社から受け入れていた中国人研修生の歓送迎会を行うことになりました。本件労働者は、資料作成の期限が翌日である […]