Case219 終業時間後の緊急対応のために事務所内で待機していた時間が労働時間と認められた事案・システムメンテナンス事件・札幌高判令4.2.25労判1267.36

(事案の概要)

 原告労働者は、機械式駐車場のメンテナンス業務に従事していました。

 被告会社では、終業時間後の夜間と休日の当番が、会社から貸与された携帯電話に顧客から連絡があった場合に対応し、必要に応じて現場に臨場して緊急対応することとなっていました。

 待機場所は指定されておらず帰宅することもできましたが、終業時間後に事務所内で待機することが多くありました。また、遠方に出かけることや飲酒は禁止されていました。

 夜間と休日の当番には、一律の手当と、実働した時間に対する割増賃金のみが支払われていました。

 本件は、原告が、夜間と休日の待機時間は全て労働時間に当たるとして、残業代請求した事案です。

(判決の要旨)

 判決は、終業時間後に事務所内で待機していた時間については、速やかに現場に向かうために待機しており、それを会社も認識し容認していたから、使用者の指揮命令下に置かれていた労働時間に当たるとし、これに対する残業代と約2割の付加金を認めました。

 他方で、事務所待機以外の時間については、遠方に出かけることや飲酒以外に制約はなく、帰宅して私的な生活・活動を営むことが十分に可能であり、使用者の指揮命令下から離脱したものと評価できるとして労働時間に当たらないとしました。

※上告

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