Case259 労働者に改善の見込みがないということはできず他部署への配転等も可能であったとして能力不足による試用期間中の解雇を無効とした事案・一般社団法人日本品質保証機構事件・東京地判令4.2.2

(事案の概要)

 原告労働者は、被告法人と試用期間付きの無期雇用契約を締結しましたが、職員としての能力、適性を著しく欠いているとして試用期間満了日をもって法人から解雇されました。

 本件は、原告が法人に対して、解雇の無効を主張して雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、原告が基本的なミスを繰り返していたとしつつ、原告の勤務不良の程度が重大であって改善の見込みがないと直ちにいうことはできず、法人としては、他部署への配転等により改善の機会を与え、解雇の適否を慎重に判断することが相当であったというべきであるとして、本件解雇を無効とし、地位確認等を認めました。賞与請求は棄却しました。

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