Case353 採用応募者の同意を得ずにB型肝炎ウイルス検査をしたことがプライバシー侵害の不法行為に当たるとした事案・B金融公庫(B型肝炎ウイルス感染検査)事件・東京地判平15.6.20労判854.5

(事案の概要)

 原告は、被告金融公庫の新卒採用試験の4次面接までパスし、被告の指示で健康診断を受けました。その結果、肝臓の数値が高いとして、被告の指示で血液検査が行われましたが、それがB型肝炎ウイルスの検査であることは原告に知らされず、検査結果が陽性であることは被告にのみ通知されました。さらに、被告の指示で精密検査が行われましたが、それがB型肝炎ウイルスの検査であることも原告に知らされませんでした。

 原告は、後に医師からB型肝炎ウイルス陽性だったことなどを告げられ、その直後に被告から採用内定できない旨告げられました。

 本件は、原告が被告に対して、無断でB型肝炎ウイルスの検査を受けさせたことによる慰謝料等を求めた事案です。

 原告は内定取消による慰謝料も請求しましたが、いまだ内定が確実な段階に至っていなかったとして否定されています。

(判決の要旨)

 判決は、B型肝炎ウイルスは他人に知られたくない情報であるから、本人の同意なしにその情報を取得されない権利はプライバシー権として保護されるとしたうえ、企業は、従業員の採用に当たり、特段の事情のない限り、応募者に対しB型肝炎ウイルス検査による感染の有無についての情報取得のための検査を行ってはならず、調査の必要性がある場合にも応募者本人に対し、その目的や必要性について告知し、同意を得なければならないとしました。

 そして、原告に行った血液検査や精密検査が不法行為に当たるとして慰謝料150万円を認めました。

※確定

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