Case404 19年間契約更新してきた語学教諭の雇止めが無効とされ従前の担当コマ数を前提とした賃金請求が認められた事案・公益財団法人東京横浜独逸学園事件・東京高判平30.8.21

(事案の概要)

 原告労働者は、被告法人と有期雇用契約を締結し、法人が設置する在外ドイツ学校にて19年間語学教諭として働いていました(1年契約10回、3年契約3回)。

 しかし、法人から、原告が作成した試験問題および評価基準に問題があったなどとして、退職勧奨のうえ期間満了により雇止めされました。

 本件は、原告が法人に対して、雇止めの無効を主張して雇用契約上の地位の確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)一審判決・横浜地判平29.11.28労判1184.21

 判決は、本件労働契約が12回更新されたこと、原告の業務が法人の基幹的業務であることなどから、原告が労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものと認められ、しかもその期待は相当高度なものであったとし、労働契約法19条2号が適用されるとしました。

 そして、法人が主張するような問題は認められないとして、雇止めに客観的合理的理由はないとして、雇止めを無効とし、地位確認を認めました。

 また、原告の賃金は、学園長が決定するコマ数によって支払われるコマ給でしたが、原告が従前週17コマ担当していたことから、週17コマを前提にバックペイを計算しました。

 一審の結論は、控訴審でも維持されました。

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