Case426 雇止めを有効として労働者の本訴を棄却し、労働者の提訴記者会見及びインタビューでの発言は違法な名誉毀損に当たらないとして会社の反訴も棄却した事案・コード事件・京都地判令4.9.21労判1289.38

(事案の概要)

 原告労働者は、被告会社から受けた新型コロナウイルス感染症拡大に関連する本件雇止めが無効であると主張して、本件訴訟を提起しました。

 原告は、本件訴訟を提起したことについてマスコミのインタビューに応じて自身の主張を述べ、その内容がインターネット上で広く公開されました。

 また、原告は、本件訴訟の第1回口頭弁論期日の日に記者会見を行い、理不尽な理由で雇止めにあい、強い憤りを感じる旨を述べました。

 本件訴訟において、会社は、原告の記者会見及びインタビューでの発言が名誉毀損に当たるとして原告に損害賠償を求めて反訴しました。

 判決において、原告に対する本件雇止めは有効とされ、原告の本訴は棄却されました。

(判決の要旨)

 判決は、原告の本件記者会見上の発言そのものは、本件雇止めに関して、原被告間で紛争が生じ、そのための交渉を踏まえた、本件訴訟における原告の立場から見た意見表明にとどまるものであって、被告側としても、これに対し、本件雇止めは正当なものであったと反論すれば足りる程度のものであったとしました。

 そして、新型コロナウイルス感染症拡大に関連する雇止めは社会的関心事であり、そのような社会的関心事に関して本件訴訟を提起したことを述べ、これと合わせて原告の立場を説明するため、本件記者会見を開いたことについては、本件記者会見上の発言が人身攻撃に及ぶようなものではなかったなど自らの意見表明の域を逸脱したとはいうことができない本件においては、表現の自由が社会の根幹を構成することに照らし、違法な無形的利益の侵害行為であるということはできないとしました。

 また、原告のインタビュー上の発言についても、概ね原被告間の訴訟外でのやり取り等の事実経過に沿うものであって、それを踏まえて、原告の立場から見解、意見を述べたものにとどまるというべきであり、違法な無形的利益の侵害行為であるということはできないとしました。

※控訴

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