労働基準法第10条 定義(使用者)

第十条 この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。

~解説~

⑴ 労基法の多くの条文で義務者となる「使用者」の定義を定めた条文です。

⑵ 「事業主」とは、その事業の経営の主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、会社その他の法人組織の場合はその法人そのものをいいます。

⑶ 「事業の経営担当者」とは、事業経営一般について権限と責任を負う者をいい、法人の代表者や支配人などがこれに当たります。

⑷ 「事業の労働者に関する事項」とは、人事、給与、厚生等の労働条件の決定や労務管理を行うこと、業務命令の発出や具体的な指揮監督を行うこと等をいいます。これらについて「事業主のために行為をする者」であれば、全て労基法上の使用者に当たり得ます。

 もっとも、誰が使用者に当たるかは相対的で、条文毎に、その条文が定める義務についての履行の責任者を負う「使用者」が誰なのか判断されます。管理職など、ある場面では労働者、ある場面では使用者ということもあり得ます。

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