【セクハラ】Case652 役員が懇親会で女性従業員らを対象に役員との食事・映画鑑賞等を景品とするくじ引きをしたことが不法行為に当たるとされた事案・海外需要開拓支援機構ほか事件・東京高判令3.5.13労判1340号85頁
【事案の概要】
原告労働者X(女性)は、被告機構(Y1)に派遣されて働いていた派遣労働者です。
Xは、被告機構の専務取締役であった被告B(Y2)が、主催した懇親会において、女性従業員らを対象に「役員との食事・映画鑑賞」等を景品とするくじ引き(本件くじ引き)を行い、これを強要したことがセクハラ等の不法行為に当たると主張しました。
Xは、被告らに対して慰謝料等の損害賠償請求をしました。被告機構らに対する請求は棄却されています。
【判決の要旨】
判決は、B(Y2)が懇親会で行った「くじ引き」について、「本件くじ引きは,費用や労力の拠出を強いる外れくじだけではなく,その余のくじにおいても,業務外の私事への参加にとどまらず,この参加に長時間かつ複数回にわたる男性役員の同伴を必須の条件とする点で,本件くじを引いた女性従業員によっては,男性役員から(食事,映画鑑賞等の終了後の誘いを含む)何らかの性的言動を受けるのではないかという疑念を生じさせるものとして不法行為法上も違法であり,この限度で,第 1 審被告Bの不法行為が成立するというべきである」とし、Bに対して慰謝料5万円の支払いを命じました。

