Case243 定年後再雇用を拒否できるのは就業規則上の解雇事由等がある場合に限られるとし、けん責処分を受けたことを理由とする再雇用拒否が無効とされた事案・ヤマサン食品工業事件・富山地判令4.7.20労判1273.5

(事案の概要)

 原告労働者は、被告会社で定年まで勤務し、会社との間で定年翌日を始期とする嘱託雇用契約を締結していましたが、原告がけん責の懲戒処分を受けたことを理由に会社から嘱託雇用契約を解除され、定年後の再雇用を拒否されました。

 会社は、上記嘱託雇用契約に、就業規則に抵触した場合には再雇用しない旨の本件就業規則抵触条項があったと主張しました。

 本件は、原告が会社に対して、再雇用の拒否が違法であるとして雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。

(判決の要旨)

 判決は、平成24年の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年法)改正の趣旨や「高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針」を踏まえると、定年後に継続雇用しないことができるのは、就業規則に定める解雇事由または退職事由(年齢にかかるものを除く)に該当する場合に限られるとし、就業規則等でこれと異なる基準を設けても無効であるとしました。

 そして、本件就業規則抵触条項も、解雇事由または退職事由に該当するような就業規則違反があった場合に限り適用される趣旨であると解釈すべきであるとしたうえ、原告に解雇事由や退職事由に相当する事由はなく原告に対する解除は無効であるとし、地位確認等を認めました。

※控訴

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