今日の労働裁判例
Case492 組合専従から復職した労働者に対して労働協約に違反して従前の業務とは異なる単純作業を命じたことが人格権侵害に当たるとされた事案・ネッスル(専従者復職)事件・大阪高判平2.7.10労判580.42

(事案の概要)  原告労働者A及びBは、労働組合の専従者となることを理由に被告会社を休職しました。  組合と会社との間には「専従者がその任を解かれた場合、会社は直ちに専従就任時に所属していた職場に本人を復帰させるものとす […]

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Case491 女性講師が上司とのキスや性行為に同意していたとはいえないとして上司及び学校に対する損害賠償請求が認められた事案・学校法人A京都校事件・京都地判令元.6.28労判1302.49

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告法人が運営する高校の常勤講師として勤務していました。  被告分室長は、入職1年程度の原告に対し、度々キスをする、胸を触るなどしました。原告が「やめてください。」と抵抗しても離さ […]

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Case490 売上の10%の残業手当が時間外労働等の対価として支払われたものとは認められないとされた事案・久日本流通事件・札幌地判令5.3.31労判1302.5

(事案の概要)  長距離トラックドライバーである原告労働者が、被告会社に対して残業代請求した事案です。  会社の賃金規程では、残業手当は、基本給+諸手当に一定の乗率および労働時間を乗じたものとされていましたが、実際には売 […]

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Case489 友人へのチャットや診断内容等から上司からの暴行が認定された事案・マツヤデンキほか事件・大阪高判令2.11.13労判1242.33

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の正社員として家電量販店に勤めていました。  被告上司Aは、原告が取り扱った商品券や伝票の枚数と売上データ等が一致していなかったこと等から、原告に対し、商品券を探すよう指示をしまし […]

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Case488 客観的証拠がないものも含めコンビニ店員に対する日常的ないじめ・パワハラの事実が認められた事案・コンビニエースほか事件・東京地判平28.12.20労判1156.28

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社がフランチャイジーとして経営するコンビニで働いていました。  本件は、原告が、被告代表者及び被告店長から以下のような日常的ないじめ・パワハラを受けていたとして会社、被告代表者及び被 […]

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Case487 出張中に上司が部下に飲酒を強要したことや体調が悪い部下に運転を強要したことなどが違法であるとされた事案・ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル(自然退職)事件・東京高判平25.2.27労判1072.5

(事案の概要)  原告労働者は、ホテルを運営する被告会社で営業係長として勤務していました。  原告は、出張先で仕事の反省会も兼ねて営業部次長である被告上司らと居酒屋に行きました。  原告はお酒に弱かったので、グラスを手で […]

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Case486 複数の従業員から性格等を非難され職場から排除しようとされたことが違法な退職勧奨に当たるとされた事案・公益財団法人後藤報恩会ほか事件・名古屋高判平30.9.13労判1202.138

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が運営する美術館で学芸員として勤務していました。  原告は、美術館の休館日に恩師の訃報に接し、翌日の葬儀に参列したい旨を伝えようとし、美術館に連絡が取れないため人事であり前代表理事 […]

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Case485 会社代表者の女性社員らに対する直接的又は間接的な退職強要があったと認められた事案・A社長野販売ほか事件・東京高判平29.10.18労判1179.47

(事案の概要)  原告労働者ら4名は、被告会社に勤務していた女性従業員です。  経理・総務係長である原告Bは、前社長の指示に従って前社長の不透明な交際費の処理をしていましたが、税務申告や親会社内部統制部の監査において改善 […]

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Case484 自殺した新入社員の手帳の記載から上司による業務上の注意指導の域を超える精神的攻撃が認定された事案・暁産業ほか事件・名古屋高判平27.9.16

(事案の概要)  本件労働者は、平成22年2月から被告会社でアルバイト勤務をはじめ、高校卒業後の同年4月から正社員として勤務を始めました。本件労働者は、リーダーである被告上司に同行して、消火栓や火災報知器などの点検業務を […]

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Case483 新入社員の自殺につき上司が労働者の業務の量等を適切に調整するための措置を採る義務や指導に際して過度な心理的負担をかけないよう配慮する義務に違反したとした事案・岡山県貨物運送事件・仙台高判平26.6.27労判1100.26

(事案の概要)  本件労働者は、平成21年4月に被告会社に新卒入社し、家電製品の運搬等の業務を行っていました。本件労働者は、入社直後の同年5月頃から恒常的な長時間労働をしており、同年7月頃には時間外労働時間は月約130時 […]

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