今日の労働裁判例
Case337 既に精神障害を発病している労働者の発病・悪化についても、業務による心理的負荷が精神障害を発病させる程度に強度であるといえるかによって業務起因性を判断すべきであるとした事案・北九州東労働基準監督署長事件・福岡地判令4.3.18労経速2499.9

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  本件会社でシステムエンジニアをしていた原告労働者は、出向中の平成23年4月に精神障害を発症していましたが(本件発症)、帰任後に二人体制でやっていた業務を一人で行う […]

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Case336 代表者による「この会社でしてもらう仕事はない」などの発言が労務の受領拒絶(解雇の意思表示)に当たるとして、翌日以降の労務不提供が会社の帰責事由に基づくものとされた事案・ダイワクリエイト事件・東京地判令4.3.23労経速2394.12

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社の代表者と口論になり、代表者から「目障りなので帰ってください。」「あなたにもうこの会社でしてもらう仕事はない。」「お前とは仕事ができないからやめろ。」などと告げられました。原告が、 […]

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Case335 長時間労働に加え職員の時間外勤務時間を月80時間以内に修正する作業をさせられ精神疾患を発症した公務員について公務起因性が認められた事案・地方公務員災害補償基金愛知県支部長事件・名古屋地判令3.4.19労経速2458.25

(事案の概要)  公務災害を否定する処分に対する取消訴訟です。  市の職員であった原告労働者は、それまで庶務・管理的な内部事務の経験はありませんでしたが、平成19年4月に本件病院の事務強管理下に配置換えになり、職員の出張 […]

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Case334 オフィスビルの入退室記録から始業時刻及び終業時刻を推認し残業代請求を認容した事案・クレディ・スイス事件・東京地判令4.4.12労判1292.55

(事案の概要)  整理解雇が有効とされた事案ですが、原告労働者の被告会社に対する残業代請求が認められています。  会社は、原告がヴァイス・プレジデントであり、就業規則上エグゼンプト社員に位置付けられるから、賃金規程により […]

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Case333 警察官の拳銃自殺につき精神に不調を来している者に対して拳銃携帯義務を免除することを怠った安全配慮義務違反が認められた事案・神奈川県事件・横浜地判令4.7.29

(事案の概要)  新人警察官であった本件労働者は、仕事の悩みを積み重ね、ある日交番勤務ができなくなるほどに落ち込み、上司らに仕事を辞めようか悩んでいると述べました。上司らは本件労働者を一人で帰宅させることができないと判断 […]

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Case332 60歳を超えた有期雇用教員の年俸を20%減額する給与基準の改定が不合理なものとして無効とされた事案・学校法人宮崎学園事件・福岡高宮崎支判令3.12.8労判1284.78

(事案の概要)  原告労働者は、平成12年4月に被告法人と有期雇用契約を締結し、大学講師として長年勤務していました。  法人の給与基準では、60歳を超えて雇用された場合の年俸減額は定められていませんでしたが、法人は、平成 […]

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Case331 新聞の取材に法人を批判するコメントをしたことやビラを配布したことが正当な組合活動の範囲内であるとして懲戒事由にならないとされた事案・学校法人橘学苑事件・横浜地判令4.12.22

(事案の概要)  被告法人が運営する学校で常勤講師をしていた原告らは、原告らを含む教員ら並びに卒業生及び在校生の保護者らが法人に対して提起していた別件訴訟について、新聞記者からの取材に応じました。これにより、「教員いじめ […]

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Case330 解雇通知を誤って労働者の隣家に投函したことに対する慰謝料が認められ、組合員名簿等の提示を求め団体交渉を拒否したことが不当労働行為に当たるとされた事案・学校法人コリア国際学園事件・大阪地判令4.12.26

(事案の概要) 1 原告A  被告法人が運営する学校で教員をしていた原告Aは、法人からの退職勧奨を拒否したところ、自宅待機命令ののちに解雇されました。解雇理由は、⑴複数回の遅刻や、⑵教員会議での指示に反して他の教員の退職 […]

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Case329 雇止め係争中の学校法人による残置物の撤去等が違法な自力救済に当たるとして法人や代理人弁護士に対する慰謝料請求が認められた事案・学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・損害賠償請求等)事件・大阪高判令5.1.26労経速2510.9

(事案の概要) >学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・地位確認)事件の原告が提起した関連事件です。  原告は、雇止めされた後も、在職中に使用していた研究室の鍵を管理し、研究室の退去を拒否していました。  法人は、原告に無断で […]

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Case328 介護福祉士養成課程の授業を担当する大学講師について10年特例の適用を否定して無期転換を認めた事案・学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・地位確認)事件・大阪高判令5.1.18労判1285.18

(事案の概要)  原告労働者は、被告学校法人と雇用期間を3年間とする有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、法人が運営する大学において介護福祉士養成課程の授業を担当していました。  本件雇用契約は3年間更新されましたが(通 […]

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