今日の労働裁判例
Case52 組合員に対する復職拒否及び団体交渉での不誠実な対応が不当労働行為に当たるとされた事案・国・中労委(学校法人神奈川歯科大学)事件・東京地判令2.6.26労判1237.53

(事案の概要)  中央労働委員会がした不当労働行為救済命令に対する法人による取消訴訟です。  労働組合員である労働者が、多発性硬化症の所見が認められたことを法人に報告したところ、法人は、確定診断が出ているわけではないにも […]

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今日の労働裁判例
Case51 27項目の業務ミス及び1項目のセクハラ行為が認定されたものの解雇は無効とされた事案・みずほビジネスパートナー事件・東京地判令2.9.16労判1238.56

(事案の概要)  原告(男性)は、平成30年8月、36項目の業務ミス及び7項目の非違行為(セクハラ)を理由に解雇されました。原告は、平成27年に窃盗を理由に7日間の出勤停止処分、平成29年にセクハラを理由に2週間の出勤停 […]

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今日の労働裁判例
Case50 組合員らの言動を理由とした出勤停止処分及び転勤命令が無効とされた事案・長崎自動車事件・福岡高判令2.11.19労判1238.5

(事案の概要)  バス運転者であり同一の営業所に配属されていた原告らは、会社から各労働組合に対する担当車両の配分に関する、原告らと異なる労働組合に加入する従業員に対する「バスを取った。」等の言動を理由に出勤停止の懲戒処分 […]

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フリーランス
労基法上の労働者性

目次 1 はじめに  働く人が労働基準法(以下「労基法」)上の「労働者」に該当するかは、契約書の記載だけで決まるものではありません。契約書上、業務委託等とされているフリーランスであっても、その実態が労働者であれば、労基法 […]

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労働組合
ストライキって何?

目次 1 ストライキとは  ストライキとは、労働者が要求を貫徹するために集団的に仕事を放棄することで、同盟罷業ともいいます。 ストライキは、労働組合等が団体交渉において要求を貫徹するために、使用者の正常な運営を阻害して圧 […]

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今日の労働裁判例
Case49 育休明けの役割グレードの引下げ及び役割報酬の減額を無効とした事案・コナミデジタルエンタテインメント事件・東京高判平23.12.27労判1042.15

(事案の概要)  原告は、育児休業後に復職したところ、担当職務の変更、これに伴う役割グレードの引き下げ、これに伴う報酬グレードの引下げによる役割報酬の減額(550万円→500万円)を受け、成果報酬をゼロと査定されたことに […]

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今日の労働裁判例
Case48 自由な意思論により退職金規程の不利益変更に対する同意を無効とした最高裁判例・山梨県民信用組合事件・最判平28.2.19労判1136.6【百選10版23】

(事案の概要) 1 はじめに  平成15年1月に被告に合併(15年合併)されたC信用組合の従業員であった原告ら12名が、合併により労働契約上の地位を承継した被告に対して、C信用組合の退職金規程(旧規程)に基づく退職金の支 […]

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今日の労働裁判例
Case47 降格に基づく賃金減額が無効とされた事案・CFJ合同会社事件・大阪地判平25.2.1労判1080.87

(事案の概要)  労働者が、降格及びこれに伴う賃金減額が人事権の濫用に当たり無効であるとして、主任職の地位確認及び降格前後の差額賃金を請求した事案です。  被告は、原告を主任職から一般職に降格し、基本給及び役職手当を減額 […]

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今日の労働裁判例
Case46 職務給制度に基づく職務グレードの降格を無効とした事案・Chubb損害保険事件・東京地判平29.5.31労判1166.42

(事案の概要)  原告が、2回の降格減給処分がいずれも無効であるとして、降格前後の差額賃金等を求めた事案です。  被告は、責任の大きさと業績により従業員の給与が決定される職務給制度(基本給は職務グレードに応じた給与レンジ […]

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今日の労働裁判例
Case45 使用者に一方的な評価決定権限がないとして年俸減額を無効とした事案・日本システム開発研究所事件・東京高判平20.4.9労判959.6【百選10版33】

(事案の概要)  年俸制の研究職員の賃金減額事案です。被告では、年俸額について、就業規則に定めはないものの、個人業績評価と非年俸者の改定基準表を参考に役員が目安額を提示したうえで、役員2名と当人の個別交渉を経て、年間支給 […]

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