今日の労働裁判例
Case448 退勤途中に義父の家に立ち寄り介護を行った後、帰宅途中の交通事故について通勤災害と認めた事案・国・羽曳野労基署長(通勤災害)事件・大阪地判平18.4.12労判920.77
(事案の概要) 通勤災害不支給決定に対する取消訴訟です。 原告労働者は、勤務を終えて退勤する途中、交通事故により1級身体障害者の認定を受けている義父の介護のために通勤経路外にある義父の家に立ち寄り、約1時間40分後、 […]
Case447 産業別労働組合の役員及び組合員が業界団体運営者に対する威力業務妨害及び強要未遂の罪に問われたが無罪とされた事件・全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(和歌山)事件・大阪高判令5.3.6労判1296.74
(事案の概要) 労働組合の役員ないし組合員ら(被告人ら)が威力業務妨害および強要未遂の罪に問われた刑事訴訟です。 被告人らは、生コン業界の労働者により組織される産業別労働組合である本件組合の役員ないし組合員をしていま […]
Case446 出張中の宿泊先で同僚と飲酒酩酊し階段から転倒して死亡した事故について労災と認められた事案・大分労基署長(大分放送)事件・福岡高判平5.4.28労判648.82
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 被災労働者は、4名での出張中の宿泊施設で同僚たちと飲酒して酩酊し、宿泊部屋に戻ろうとした際にトイレのサンダルを履いていることに気づき、トイレに戻るため階段を降りよ […]
Case445 始末書の提出命令を拒否したことを業務上の指示命令違反として懲戒処分をすることは許されないとした事案・豊橋木工事件・名古屋地判昭48.3.14判タ297.321
(事案の概要) 原告労働者は、労働組合の支部役員として、従業員Aが被告会社から度々職場変更を命じられるのを不満として無断早退し会社から始末書の提出を求められたことに対して、会社と交渉していました。 そうしたところ、会 […]
Case444 水道局職員が初めて担当する業務について上司らに相談できないまま追い詰められて自殺したことにつき市の安全配慮義務違反が認められた事案・新潟市(市水道局)事件・新潟地判令4.11.24労判1290.18
(事案の概要) 本件労働者は、被告市が経営する水道局の職員として勤務していました。 組織再編により、本件労働者は、主査として平成19年4月から修繕単価表等の改定という経験がなく事務処理要領等も存在しない業務の主担当と […]
Case443 労働組合が使用者と交渉・和解することは弁護士法72条の法律事務の取扱いに当たらず組合規約に基づき解決金から拠出金を受領することは同条に違反しないとした事案・プレカリアートユニオン(拠出金返還等請求)事件・東京高判令4.12.15
(事案の概要) 被告労働組合の元組合員である原告労働者が、組合を訴えた事件です。 原告は、アルバイト先のA社に解雇されたことから組合に加入し、A社と解決金19万円で退職和解しました。 また、原告は、就業先のB社から […]
Case442 院内連絡用PHSを常に携帯し休憩時間がなかったとして研修医の残業代請求及び労災損害賠償請求が認められた事案・医療法人社団誠馨会事件・千葉地判令5.2.22労判1295.24
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人が開設する病院で後期研修医として勤務し、多い時期には月100時間以上の時間外労働をし(判決の認定ベース)、適応障害を発症し休職しました。 原告の雇用契約では、臨時日・当直及び時間 […]
Case441 労働組合が会社の取引先銀行や顧客取引先に会社の違法行為を指摘する要請書を送付したことなどが正当な組合活動に当たるとされた事案・プレカリアートユニオンほか(粟野興産)事件・東京高判令4.5.17労判1295.53
(事案の概要) 原告会社が、被告労働者及び被告労働組合に対して信用毀損を理由に損害賠償請求した事案です。 被告労働者は、会社に解雇されたため、個人加盟の組合に加入しました。 被告らは、会社の取引先銀行や顧客取引先に […]
Case440 育休延長や妊娠による業務軽減措置の請求、母性健康管理措置としての休業申出などを理由とする解雇が無効とされ妊娠中の解雇として不法行為に該当するとされた事案・学校法人横浜山手中華学園事件・横浜地判令5.1.17労判1288.62
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人が運営する学校で教員として勤務していました。 原告は、第五子の出産に伴い、平成28年8月から同年10月まで産前産後休業を取得し、同月から平成29年8月まで育児休業を取得しました。 […]
Case439 大学のコンプライアンス違反を指摘する記者会見に同行したことや匿名でのTwitter等を理由とする懲戒解雇を無効とし解雇後の定年後再雇用も認めた事案・学校法人札幌国際大学事件・札幌地判令5.2.16労判1293.34
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人の設置する大学で教授として勤務していました。 原告は、①前学長が行った、大学の外国人留学生に関するコンプライアンス違反を指摘する記者会見に同行したことや、②匿名でのTwitter […]