今日の労働裁判例

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Case313 契約書を交わすことなく締結された契約が業務委託契約ではなく労働契約であるとして会社による一方的な契約解消が無効とされた事案・TWS Advisors事件・東京地判令4.3.23労経速2507.28

(事案の概要)  原告労働者は、契約書を交わすことなく被告会社と本件契約を締結し、主として不動産取引業務を行っていました。  会社は、本件契約が土地の仕入れを委託内容とする業務委託契約であるとして、一方的に本件契約を解消 […]

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Case312 週40時間を超えるシフトによる変形労働時間制を無効とし事実上強制されたセミナーの受講時間が労働時間に当たるとした事案・ダイレックス事件・長崎地判令3.2.26労判1241.16

(事案の概要)  原告労働者が、変形労働時間制の無効を主張して会社に対して残業代請求した事案です。  被告会社の就業規則では、所定労働時間は1か月を平均して1週間40時間とすること、その所定労働時間、所定労働日ごとの始業 […]

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Case311 月131時間14分相当の固定残業代の定めが公序良俗に違反し無効であるとされた事案・木の花ホームほか1社事件・宇都宮地判令2.2.19労判1225.57

(事案の概要)  本件は、原告労働者が、被告会社ら(転籍前後に2社)に対して、固定残業代及び変形労働時間制の無効を主張して残業代請求した時間です。  被告らでは、職務手当が月131時間14分相当の固定残業代であるとされて […]

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Case310 会社が従業員に対してヘイトスピーチ等を含む資料を配布するなどした行為が在日韓国人である原告に対する不法行為にあたるとした事案・フジ住宅ほか事件・大阪高判令3.11.18労判1281.58

(事案の概要)  被告会社は、2年以上に渡り、従業員に対する教育と称して、中国・韓国・北朝鮮の国籍や民族的出自を有する者に対して「死ねよ」「嘘つき」「卑劣」「野生動物」などの文言を用いて侮辱するものを含む文書を配布してい […]

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Case309 屋外建設作業に従事する者との関係で国と建材メーカーの責任を否定した最高裁判例・建設アスベスト訴訟(京都)事件・最判令3.5.17労判1259.33

(事案の概要)  石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安 […]

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Case308 石綿被害につき一人親方の保護を認めた最高裁判例・建設アスベスト(大阪)事件・最判令3.5.17労判1268.5

(事案の概要)  石綿(アスベスト)含有建材から生ずる石綿粉じんにばく露したことにより石綿関連疾患(中皮腫等)を発症した建設作業従事者やその遺族が、国に対して、石綿粉じんにばく露することを防止するために労働安全衛生法(安 […]

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Case307 国が石綿工場に局所排気装置の設置を義務づけなかったことが国賠法上違法であったとした最高裁判例・泉南アスベスト訴訟・最判平26.10.9民集68.8.799

(事案の概要)  本件は、大阪府泉南地域に存在した石綿工場の元従業員やその遺族である原告らが、国による石綿の粉じん規制が不十分であったため石綿工場での作業により石綿肺などの石綿関連疾患にり患したと主張して国家賠償を求めた […]

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Case306 法律事務所を退職した弁護士に対する損害賠償請求が棄却され代表弁護士のパワハラを理由とする慰謝料請求の反訴が認容された事案・弁護士法人甲野法律事務所事件・横浜地川崎支判令3.4.27労判1280.57

(事案の概要) 1 本訴  原告法律事務所及びその代表である原告弁護士は、原告法律事務所を退職した被告弁護士に対して、被告が担当事件に関する引継ぎや報告等を一切行わずに一方的に退職したことにより信用を毀損されたとして、損 […]

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Case305 長年に渡る多数の非違行為が認められるものの懲戒免職を選択したことは裁量権の範囲を逸脱するとして懲戒免職処分が取り消され慰謝料も認められた事案・糸島市・市消防本部消防長事件・福岡地判令4.7.29労判1279.5

(事案の概要)  懲戒免職処分を受けた原告労働者1の事件と、懲戒処分を受けた原告労働者2の事件が一緒に判断されていますが、原告労働者1の事件のみ紹介します。  原告は、被告市消防本部予防課係長として、部下に対して多数のい […]

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Case304 派遣会社から契約更新が確定した旨のメールを受信したことから更新の合理的期待が認められ雇止めが無効とされた事案・グッドパートナーズ事件・東京地判令4.6.22労判1279.63

(事案の概要)  原告労働者は、人材派遣会社である被告会社と2か月間の有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、介護福祉士として有料老人ホーム(本件施設)に派遣されていました。  原告は、被告会社から、本件雇用契約が2か月間 […]

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