今日の労働裁判例

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Case328 介護福祉士養成課程の授業を担当する大学講師について10年特例の適用を否定して無期転換を認めた事案・学校法人羽衣学園(羽衣国際大学・地位確認)事件・大阪高判令5.1.18労判1285.18

(事案の概要)  原告労働者は、被告学校法人と雇用期間を3年間とする有期雇用契約(本件雇用契約)を締結し、法人が運営する大学において介護福祉士養成課程の授業を担当していました。  本件雇用契約は3年間更新されましたが(通 […]

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Case327 労働者が中退共から受け取る退職金のうち社内規程に基づく退職金額を超える差額を会社に返還する旨の労働協約及び合意の効力が民法90条により無効とされた事案・タイムス物流事件・大阪地判令4.12.22

(事案の概要)  原告会社が被告労働者を訴えた事件です。  会社には、会社が中退共に退職金を積み立てるかわりに、従業員が中退共から受け取る退職金のうち、社内規程に基づく退職金の額を超える差額は従業員が会社に返還する旨の労 […]

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Case326 三次救急の救急外科医につき職種限定を認め配転命令を無効とし就労請求権も認めた事案・地方独立行政法人市立東大阪医療センター(仮処分)事件・大阪地決令4.11.10労判1283.27

(事案の概要)  外科及び救急科専門医である本件労働者は、本件法人が運営する三次救急である救急救命センター(Aセンター)において外傷・救急外科医として勤務していました。  本件労働者は、Aセンターの所長と対立し、Aセンタ […]

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Case325 開発センター廃止を理由とするセンター長に対する配転命令を無効とし配転命令拒否を理由とする賃金支払停止、減給処分及び解雇も無効とした事案・メガカリオン事件・東京地判令4.7.5

(事案の概要)  原告労働者は、iPS細胞由来の血小板製剤の開発を目的とする被告会社が運営する本件センターのセンター長として業務を行っていました。  会社は、平成30年1月、原告に対して、本件センターの廃止を理由に退職勧 […]

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Case324 使用者が労働者の兼業状況を容易に把握することができたとして兼業も合わせた長時間労働につき安全配慮義務違反を認めた事案・大器キャリアキャスティングほか1社事件・大阪高判令4.10.14労判1283.44

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社と有期雇用契約を締結し、A社が運営する24時間営業のガソリンスタンドで夜間営業の業務を行っていました。  原告は、A社とも有期雇用契約を締結し、日中や日曜にも同じガソリンスタンで勤 […]

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Case323 トラック運転手からラーメン店の店長候補に配置転換された労働者について精神疾患発症の業務起因性を認めた事案・国・笠岡労働基準監督署長事件・岡山地判令4.3.30労経速2508.8

(事案の概要)  労災不支給決定に対する取消訴訟です。  原告労働者は、会社でトラック運転手として配送業務をしていましたが、会社が経営するラーメン店の店長候補に配置転換されました。  原告は、慣れない業務を行う中でおおむ […]

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Case322 打刻時の位置情報を把握できるシステムの導入により直行直帰のMRの労働時間を算定できるようになったとして事業場外みなし制が無効とされた事案・セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件・東京高判令4.11.16労判1288.81

(事案の概要)  原告労働者は、製薬会社である被告会社でMRとして営業の職務に従事し、自宅と営業先を直行直帰していました。  会社が導入した勤怠管理システム(本件システム)では、出退勤の打刻時点における従業員の位置情報を […]

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Case321 就労時間中に従業員引き抜きの準備行為をしたことを理由とする懲戒処分がいずれも無効とされた事案・不動技研工業事件・長崎地判令4.11.16労判1290.32

(事案の概要)  社外の人間であるAは、被告会社の従業員を引き抜き、被告会社と競業する業務を行う新会社を設立することを計画していました。  原告ら労働者3名は、Aの計画に加担したとして、原告1(課長職)は懲戒解雇、原告2 […]

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Case320 タクシー乗務員の明示の同意のない賃金からのハイグレード車使用料の控除が無効とされた事案・大陸交通事件・東京地判令3.4.8労判1282.62

(事案の概要)  タクシー運転手である原告労働者らの給料からは、GPS機器搭載車両の使用料(GPS使用料)とハイグレード車の使用料(HG車使用料)が控除されていました。  GPS使用料の控除については労使協定及び原告らの […]

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Case319 使用者から義務づけられ選択の余地がない営業活動費を賃金から控除する合意は労働者の自由な意思に反し許されないとした事案・住友生命保険(費用負担)事件・京都地判令5.1.26労判1282.19

(事案の概要)  被告会社では、労使協定により、営業職員の賃金から、営業職員が業務に使った携帯端末使用料や物品代等の経費を控除していました。  本件は、会社の営業職員である原告労働者が、会社に対して、経費を賃金から控除す […]

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