損害賠償
【労災、過労死】Case297 時間外労働時間は月75時間程であったものの出張の移動時間等を考慮して心疾患による死亡の業務起因性を認めた事案・MARUWA事件・名古屋地判令4.8.26
(事案の概要) 急性心筋梗塞により死亡した本件労働者の遺族である原告らが、被告会社に対して損害賠償請求した事案です。 本件労働者の時間外労働は、発症前1か月が69時間59分、発症前2か月が75時間32分でしたが、毎月 […]
【パワハラ、セクハラ】Case286 パワハラ・セクハラによるうつ病発症後の配置転換等についても国の安全配慮義務違反が認められた事案・国・高松刑務所事件・高松高判令4.8.30
(事案の概要) 新人刑務官として勤務していた原告労働者(女性)は、先輩職員Aに小部屋に呼び出され「私仕事せん奴大嫌いやけん。お前は刑務官の服着たお人形さんや。今は新人やけん許されとるけど、ちゃんとやらんかったら見捨てら […]
【労災】Case284 従業員が雨に濡れた屋外階段で滑って転倒したことについて会社の安全配慮義務違反が認められた事案・第一興商事件・東京高判令4.6.29
(事案の概要) 被告会社が運営する本件店舗では、調理担当従業員が屋外にある本件階段を使って食材の運搬等をしていました。その際に使用されていた本件サンダルは、裏面が摩耗して滑りやすくなっており、複数の従業員が階段で足を滑 […]
Case280 男性上司が女性の部下をガールズバーに同行させ淫らな行為をするよう煽ったり卑わいな発言をしたこと等が不法行為に当たるとされた事案・ライフマティックス事件・大阪地判令4.2.18
(事案の概要) 本件は、原告労働者(女性)が、被告上司(男性)から多数のセクハラ・パワハラを受けたなどと主張して、被告上司及び被告会社に対して慰謝料の支払い等を求めた事案です。 このうち、被告上司が、原告をガールズバ […]
Case270 和解内容に違反して専任教授に授業を担当させなかったこと及びハラスメントの申告を長期間放置したことが債務不履行に当たるとされた事案・学校法人茶屋四郎次郎記念学園(東京福祉大学・授業担当)事件・東京高判令4.10.24
(事案の概要) 大学の専任教授である原告労働者は、過去に被告法人から無効な雇止め及び懲戒解雇を受けたのち復職しました。その後、原告の法人に対する訴訟において、原告が1コマ90分の授業を4コマ行うことなどを内容とする訴訟 […]
Case267 学生に対するハラスメントを理由とする教授の解雇が違法無効とされ慰謝料も認められた事案・学校法人滋賀学園事件・大津地判令4.6.30
(事案の概要) 本件は、大学教授で、学生に対する18個のハラスメントを理由に解雇された原告労働者が、被告法人に対して、解雇の無効を主張して地位確認及び慰謝料の支払い等を求めた事案です。 (判決の要旨) 判決は、法人が […]
Case266 退職勧奨が不法行為に該当する評価基準を示した最高裁判例・下関商業高校事件・最判昭55.7.10労判345.20【百選10版69】
(事案の概要) 原告労働者らは、被告市教育委員会が設置する高校の教員でした。 委員会は、教員の新陳代謝をはかり適正な年齢構成を維持するために、高年齢教員を対象に退職勧奨を実施してきました。 原告Aは昭和40年度から […]
Case265 定年後の嘱託職員と定年前の正職員との間の基本給、皆精勤手当等、賞与の格差が労契法旧20条の不合理な格差であるとされた事案・名古屋自動車学校(再雇用)事件・名古屋高判令4.3.25
(事案の概要) 本件は、定年後再雇用で有期の嘱託職員となった原告労働者らが、正職員との間に労契法旧20条に違反する労働条件の相違があるとして、被告会社に対して差額賃金等の支払いを求めた事案です。 問題となった労働条件 […]
Case264 長時間労働によるうつ病の発症については予見可能性がなかったもののその後の自殺について安全配慮義務違反が認められた事案・奈良県(うつ病自殺)事件・奈良地判令4.5.31
(事案の概要) 本件は、長時間労働の末に自殺した被告奈良県の職員(被災者)の両親が、県に対して損害賠償請求した事案です。 被災者は、平成27年3月から同年4月にかけて、1か月当たり150時間を超える時間外勤務に従事し […]
Case260 私生活の非行を理由として行われた警察官に対する執拗な退職勧奨等が違法であるとして慰謝料請求が認められた事案・山口県事件・広島高判令4.4.21判時2550.43
(事案の概要) 原告労働者は、山口県警察の警察署で警察官として勤務していました。 原告は、私生活で多額の借金を抱えており(借金問題)、既婚女性と不貞関係にありました(女性問題)。 警察署長らは、借金問題と女性問題を […]

