労災
Case449 安全配慮義務の一般論を示し宿直中の労働者が強盗に殺害されたことについて会社の安全配慮義務違反を認めた最高裁判例・川義事件・最判昭59.4.10労判429.12
(事案の概要) 本件労働者は、毛皮卸売業を営む被告会社で宿直中、窃盗目的で侵入した元従業員に殺害されました。 本件は、本件労働者の両親である原告らが、会社に対して安全配慮義務違反を主張して損害賠償請求した事案です。 […]
Case448 退勤途中に義父の家に立ち寄り介護を行った後、帰宅途中の交通事故について通勤災害と認めた事案・国・羽曳野労基署長(通勤災害)事件・大阪地判平18.4.12労判920.77
(事案の概要) 通勤災害不支給決定に対する取消訴訟です。 原告労働者は、勤務を終えて退勤する途中、交通事故により1級身体障害者の認定を受けている義父の介護のために通勤経路外にある義父の家に立ち寄り、約1時間40分後、 […]
Case446 出張中の宿泊先で同僚と飲酒酩酊し階段から転倒して死亡した事故について労災と認められた事案・大分労基署長(大分放送)事件・福岡高判平5.4.28労判648.82
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 被災労働者は、4名での出張中の宿泊施設で同僚たちと飲酒して酩酊し、宿泊部屋に戻ろうとした際にトイレのサンダルを履いていることに気づき、トイレに戻るため階段を降りよ […]
Case444 水道局職員が初めて担当する業務について上司らに相談できないまま追い詰められて自殺したことにつき市の安全配慮義務違反が認められた事案・新潟市(市水道局)事件・新潟地判令4.11.24労判1290.18
(事案の概要) 本件労働者は、被告市が経営する水道局の職員として勤務していました。 組織再編により、本件労働者は、主査として平成19年4月から修繕単価表等の改定という経験がなく事務処理要領等も存在しない業務の主担当と […]
Case442 院内連絡用PHSを常に携帯し休憩時間がなかったとして研修医の残業代請求及び労災損害賠償請求が認められた事案・医療法人社団誠馨会事件・千葉地判令5.2.22労判1295.24
(事案の概要) 原告労働者は、被告法人が開設する病院で後期研修医として勤務し、多い時期には月100時間以上の時間外労働をし(判決の認定ベース)、適応障害を発症し休職しました。 原告の雇用契約では、臨時日・当直及び時間 […]
Case434 骨髄増殖性腫瘍の持病を持つ豚舎職員の人畜共通病原菌であるロドコッカス・エクイ菌の感染症について公務起因性を認めた事案・地公災基金熊本県支部長(農業研究センター)事件・熊本地判令5.1.27労判1290.5
(事案の概要) 公務災害を否定する認定処分に対する取消訴訟です。 本件労働者は、熊本県農林水産部農業研究センター畜産研究所中小家畜研究室(本件研究室)の養豚エリアで、豚の餌やり、餌箱内の豚の糞や豚房に溜まった糞をスコ […]
Case431 部下を指揮監督していたとしても割増賃金の支給すら決定権限を有していないことから管理監督者を否定した労災取消訴訟・国・広島中央労基署長(アイグランホールディングス)事件・東京地判令4.4.13労判1289.52
(事案の概要) 原告労働者が、労基署長が行った原告が管理監督者であることを前提とした労災支給決定の取消しを求めた取消訴訟です。 原告は、会社において、取締役会と管理本部の下にある管理本部経理部長の地位にあり、経理課と […]
Case392 労災保険法上の給付を受けている労働者も労基法81条の打切補償の対象となるとした最高裁判例・学校法人専修大学事件・最判平27.6.8労判1118.18
(事案の概要) 被告労働者は、業務上疾病(頚肩腕症候群)により療養のため約6年間にわたって休業して労災保険給付を受けていましたが、原告法人から労基法81条の打切補償として平均賃金の1200日分の支払いを受けたうえで解雇 […]
Case372 発症と悪化で形式的に異なる基準を用いるべきではないとして精神障害の発症時点では業務起因性が認められなかったものの悪化時点で業務起因性が認められた事案・国・北九州東労基署長(TOTOインフォム)事件・福岡地判令4.3.18労判1286.38
(事案の概要) 労災不支給決定に対する取消訴訟です。 原告は、業務内容や業務量の変化や、上司に当たるAから厳しく指導を受けるなどし、平成23年4月にうつ病などと診断され(本件発症)、休業しましたが、同年7月に復職しま […]
Case345 運行時間外手当の固定残業代性を否定し、これを有効として給付基礎日額を算定した労災支給決定を取り消した事案・国・所沢労基署長(埼九運輸)事件・東京地判令4.1.18労判1285.81
(事案の概要) 原告労働者は、本件会社における月平均約100時間を超える長時間労働が原因で狭心症を発症しました。労基署は、原告の狭心症の発症につき労災支給決定をし、給付基礎日額を増額する変更決定をして改めて支給決定(本 […]