2022年3月

総論
育児休業

1 はじめに  子育てをしながら働くことは労働者にとって大変なことです。そこで、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育介法)」第5条~第10条が育児休業の制度を定めています。育児休業の制 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case77 労働者の適性を判断するための期間は特段の事情のない限り試用期間であるとした最高裁判例・神戸弘陵学園事件・最判平2.6.5労判564.7【百選10版11】

(事案の概要)  原告労働者は、被告学校法人に、1年の期限付の常勤講師として採用されました。採用面接において、学校法人は、原告に対して、契約期間は一応1年とし、1年間の勤務状態から「再雇用」するか否かを判定すると説明し、 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case76 採用内定の性質につき始期付き解約権留保付き労働契約とした最高裁判例・大日本印刷事件・最判昭54.7.20労判323.19【百選10版9】

(事案の概要)  被告会社は、大学生であった原告に対して、採用内定通知書を送付し、原告に自己都合による内定辞退をしないこと及び内定取り消し事由が記載された誓約書を提出させました。しかしその後、会社は原告に対して、原告が「 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case75 試用期間及び本採用拒否の性質を示した最高裁判例・三菱樹脂事件・最判昭48.12.12労判189.16【百選10版8,10】

(事案の概要)  被告会社は、新卒採用した原告労働者をについて、原告が在学中に大学自治会役員に就任し学生運動に関与したこと、大学生協の役員歴が存することを身上書や面接で秘匿し、経歴詐称をしたなどとして、試用期間満了により […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case74 人事権による降格及びこれに基づく役付手当の減額が無効とされた事案・広島精研工業事件・広島高判令4.3.29

(事案の概要)  被告会社は、心筋梗塞で倒れて休職中の原告労働者を、能力不足等を理由として課長から平社員に降格しました(本件降格)。これにより、原告に役付手当6万円が支給されなくなりました。なお、会社における職位は、部長 […]

続きを読む
残業代
管理監督者って何?

1 はじめに  労働契約で定められた所定労働時間を超えて働いた場合、超えた時間に応じた残業代が発生し、また、労働基準法に定められた条件に該当する場合には、割増賃金が発生します。  >詳しくはこちら  しかし、会社から様々 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case73 大阪市の対応が団交拒否及び支配介入の不当労働行為に該当するとされた事案・大阪府・府労委(大阪市・市労組)事件・大阪高判R4.2.4労経速2484.7

(事案の概要)  大阪市の職員が加入する本件労働組合は、約370名の構成員のうち3名が労働組合法が適用される職員で、その余は地方公務員法が適用される職員でした。  本件労働組合は、大阪市に対して組合事務所供与に関する団体 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case72 労働条件明示義務違反による慰謝料請求が認められた事案・日新火災海上保険事件・東京高判平12.4.19労判787.35【百選10版7】

(事案の概要)  被告会社は、計画的な中途採用を運用基準に基づき実施することとし、「第二新卒としてやり直してみたい方。……ハンディはなし。……89年卒の方なら、89年に当社に入社した社員の現時点での給与と同等の額をお約束 […]

続きを読む
今日の労働裁判例
Case71 上司のセクハラ・パワハラについて、会社の使用者責任及び事後対応についての安全配慮義務違反が認められた事案・人材派遣業A社ほか事件・札幌地判令3.6.23労判1256.22

(事案の概要)  被告会社の支店長である原告(女性)の直属の上司であった被告専務取締役(男性)は、営業社員の研修後の飲み会の二次会で、原告に対して「ホテルに遊びに行っていいか」「抱いちゃおうかな」などと発言し、二次会終了 […]

続きを読む