Case92 年功序列型から成果主義型への賃金制度の変更が就業規則の不利益変更に当たるとした事案・ノイズ研究所事件・東京高判平18.6.22労判920.5

(事案の概要)

 被告会社は、給与規程等を変更し、職能資格制度に基づき職能給を支給する年功序列型の旧賃金制度から、職務等級に基づき職能給を支給し、人事評価で昇格も降格もあり得るとする成果主義型の新賃金制度へ賃金制度を変更しました。

 原告労働者らは、新賃金制度の下で職務等級を降格され賃金を減額されたため、本件給与規程等の変更が不合理な不利益変更に当たり無効であるなどと主張し、差額賃金の支払等を求めました。

 会社は、本件給与規程等の変更の不利益変更該当性を争いました。

(判決の要旨)

1.不利益変更該当性

 判決は、新賃金制度の下では、従業員の従事する職務の格付けが旧賃金制度の下で支給されていた賃金額に対応する職務の格付けよりも低かった場合や、その後の人事考課査定の結果、従業員が降格された場合には、旧賃金制度の下で支給されていた賃金額より顕著に減少した賃金額が支給されることとなる可能性がある点で、本件給与規程等の変更が就業規則の不利益変更に当たるとしました。

2.変更の合理性

 もっとも、判決は、本件給与規程等の変更は高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであったとして、本件給与規程等の変更を有効とし、原告らの請求を棄却しました。

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