Case10 給与規程の不利益変更が無効とされた事案・学校法人梅光学院(給与減額等)事件・山口地下関支判R3.2.2労判1249.5

(事案の概要)

 大学教員として勤務していた原告らが、給与規程及び退職金規程の変更が、労働契約法10条に違反する不利益変更であるとして、変更の有効性を争った事案です。

 給与規程の変更により、業績を評価した職能等級が加えられた(年功的な賃金制度から成果主義的な賃金制度への変更)ほか、住宅手当の廃止、扶養手当の減額等により、労働者の年収は1割~2割程度減額されました。

 また、退職金規程の変更により、受け取る退職金の額が500万円以上減る労働者もいました。

(判決の要旨)

 賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関する就業規則の不利益変更は、高度の必要性に基づいた合理的な内容であることが要求されます。

 判決は、法人が財政上極めて危機的な状況に瀕していたとはいえず、労働者が不利益を受任せざるを得ないほどの高度の必要性があったとはいえないとしました。また、新就業規則の内容も相当性があったとは言い難いとしました。

 以上から、判決は、新就業規則は労働契約法10条にいう合理的なものであるとはいえないとし、不利益変更を無効としました。

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