Case114 賃金減額の書面がなく、書面がない合理的な理由の説明もないことから賃金減額の合意が否定された事案・シー・エー・ピー事件・東京地判平26.1.31労判1100.92

(事案の概要)

 原告労働者ら3名は、被告会社に対して、一方的に減額された賃金の支払いを求めました。これに対して、会社は、原告らが賃金減額に同意していたと主張しました。

(判決の要旨)

 判決は、賃金の減額という重大な内容の合意が成立したのであれば、その旨を書面化するなどして明らかにしておくことが当然であるというべきであるが、そのような書面は一切存在しないし、そのような書面を作成しなかった理由について、被告代表者は何ら合理的な理由を説明しないのであるから、被告と原告らとの間で賃金の減額につき何らの合意があったとは認められないとしました。

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