今日の労働裁判例
Case161 労働者の退職の意思表示はその経緯等を踏まえて労働者の自由な意思に基づくものでなければならないとして退職合意を無効とした事案・グローバルマーケティングほか事件・東京地判令3.10.14労判1264.42

(事案の概要)  原告労働者は、被告会社で基本給30万円+歩合給の美容師として働いていましたが、会社は、原告の給与を基本給25万円+歩合給に変更しました。被告代表者は、減給に先立ち、全従業員が参加するミーティングにおいて […]

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Case160 変形労働時間制における勤務指定を使用者が任意に変更し得る旨の規定は「特定」の要件を満たさず無効であるとした事案・JR西日本(広島支社)事件・広島高判平14.6.25労判835.43【百選10版37】

(事案の概要)  鉄道会社である被告会社は、運転士である原告労働者らにつき労基法32条の2に基づく1か月単位の変形労働時間制を採用しており、就業規則には、従業員の勤務につき、「毎月25日までに翌月分を指定する」こと、「た […]

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Case159 育休明けの時短勤務のために有期雇用への転換が必要であるとの説明に基づいてされた有期雇用契約書への署名が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・フーズシステムほか事件・東京地判平30.7.5労判1200.48

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、無期雇用の事務統括として被告会社で働いていました。原告は、育児休暇からの復帰にあたり時短勤務を希望しましたが、会社は勤務時間を短縮するにはパート社員になるしかないと虚偽の説明をしま […]

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Case158 無期雇用契約から有期雇用契約への労働条件変更に対する労働者の同意は自由な意思に基づくことが必要であるとした事案・社会福祉法人佳徳会事件・熊本地判平30.2.20労判1193.52

(事案の概要)  原告労働者は、NPO法人と無期雇用契約を締結していましたが、NPO法人から被告法人に対する事業移管に伴い、被告法人と雇用契約を締結しました。  原告が被告法人で就労を開始した後に、被告法人は原告に対して […]

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Case157 2年前の職務怠慢を理由に給与を自主返納する旨の念書による賃金放棄が労働者の自由な意思に基づくものとはいえないとされた事案・ジー・イー・エス事件・大阪地判平31.2.28

(事案の概要)  メンテナンス作業の責任者であった原告労働者は、メンテナンス作業の不手際を契機に被告会社が取引先から契約を打ち切られ、損害賠償請求訴訟を提起されたことに関して、当該事件の2年後に「私は、自らの職務怠慢で、 […]

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Case156 違法な配転命令が労働者の同意によって有効となるためには、その瑕疵を拭い去るほどの自由意思に基づく同意であることを要するとした事案・KSAインターナショナル事件・京都地判平30.2.28労判1177.19

(事案の概要)  原告労働者は、定年後再雇用の嘱託社員として経営管理本部A監査室長を務めていましたが、経営管理本部部長付参事に異動する旨の配転命令1がされ、さらに関西営業本部B事業部参事に異動する旨の配転命令2が行われま […]

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Case155 労働者の申告により就労翌日に給与を受け取れる即給サービス利用手数料を給与から天引きしたことが全額払い原則に反するとされた事案・凸版物流・フルキャスト事件・東京高判平30.2.7労判1183.39

(事案の概要)  原告労働者は、人材紹介・派遣会社であるB社に登録し、日雇派遣労働者としてA社に派遣されていました。  B社では、派遣労働者の申告により、就労した翌日に給与を受け取れる即給サービスを提供していましたが、即 […]

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Case154 退職か賃金減額か選択するよう迫られた労働者の賃金減額の同意が自由な意思に基づくものではないとして無効とされた事案・ニチネン事件・東京地判平30.2.28労経速2348.12

(事案の概要)  中途採用の営業職として被告会社に入社した原告労働者は、会社から営業の成績が上がっていないことを理由として、退職するか現在の半額の給与とするかという対応をせざるを得ない旨を伝えられ、やむを得ずその場で給与 […]

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Case153 病気休暇取得中に起きた部下の私生活上の不祥事について管理監督義務の懈怠があったとはいえないとして戒告処分が取り消された事案・みよし広域連合事件・高松高判令4.2.22

(事案の概要)  懲戒処分の取消し等を求める行政訴訟です。  原告労働者は、三好市・東みよし町によって構成される広域連合である被告連合が設置・運営する消防本部の長を務めていました。  原告がうつ病により病気休暇を取得して […]

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Case152 会社の誤った説明により雇用契約書に押印したことをもって基本給の一部を固定残業代とする不利益変更に対する自由な意思に基づく同意があったとはいえないとした事案・ビーダッシュ事件・東京地判平30.5.30労経速2360.21

(事案の概要)  原告労働者の基本給は月50万円で、基本給に残業代を含むとの合意はされていませんでした。もっとも、被告会社は、原告の基本給に残業代が含まれるという扱いをし、原告に対して残業代の支給をしていませんでした。 […]

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