Case55 シフト労働者について勤務実態から所定労働日数の合意を週4日間と認定した事案・ホームケア事件・横浜地判令2.3.26労判1236.91
(事案の概要) 原告は、「週5日程度」「業務の状況に応じて週の出勤日を決める」と記載された雇用契約書に基づき、訪問介護施設の送迎業務に従事していたシフト労働者です。 本件は、原告が被告に対して、週の所定労働日数が5日 […]
Case54 偽装請負による派遣法40条の6の直接雇用を認めた裁判例・東リ事件・大阪高判令3.11.4労判1253.60
(事案の概要) 原告らは、被告会社と請負契約を締結しているA社の従業員として、被告会社の工場で働いていました。 労働者派遣法(派遣法)40条の6第1項5号は、派遣法の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目 […]
Case53 団体交渉に所長及び代理人弁護士のみを出席させ資料を開示しなかったことが不誠実団交に当たるとされた事案・国・中労委(長澤運輸・団交)事件・東京高判令3.1.28労判1241.35
(事案の概要) 中央労働委員会(中労委)の不当労働行為救済申立に対して会社が起こした取消訴訟です。 労働組合と会社との間の別件不当労働行為救済申立事件において「会社は、組合に対して、労働条件につき、会社の代表者ないし […]
Case52 組合員に対する復職拒否及び団体交渉での不誠実な対応が不当労働行為に当たるとされた事案・国・中労委(学校法人神奈川歯科大学)事件・東京地判令2.6.26労判1237.53
(事案の概要) 中央労働委員会がした不当労働行為救済命令に対する法人による取消訴訟です。 労働組合員である労働者が、多発性硬化症の所見が認められたことを法人に報告したところ、法人は、確定診断が出ているわけではないにも […]
Case51 27項目の業務ミス及び1項目のセクハラ行為が認定されたものの解雇は無効とされた事案・みずほビジネスパートナー事件・東京地判令2.9.16労判1238.56
(事案の概要) 原告(男性)は、平成30年8月、36項目の業務ミス及び7項目の非違行為(セクハラ)を理由に解雇されました。原告は、平成27年に窃盗を理由に7日間の出勤停止処分、平成29年にセクハラを理由に2週間の出勤停 […]
Case50 組合員らの言動を理由とした出勤停止処分及び転勤命令が無効とされた事案・長崎自動車事件・福岡高判令2.11.19労判1238.5
(事案の概要) バス運転者であり同一の営業所に配属されていた原告らは、会社から各労働組合に対する担当車両の配分に関する、原告らと異なる労働組合に加入する従業員に対する「バスを取った。」等の言動を理由に出勤停止の懲戒処分 […]
Case49 育休明けの役割グレードの引下げ及び役割報酬の減額を無効とした事案・コナミデジタルエンタテインメント事件・東京高判平23.12.27労判1042.15
(事案の概要) 原告は、育児休業後に復職したところ、担当職務の変更、これに伴う役割グレードの引き下げ、これに伴う報酬グレードの引下げによる役割報酬の減額(550万円→500万円)を受け、成果報酬をゼロと査定されたことに […]
Case48 自由な意思論により退職金規程の不利益変更に対する同意を無効とした最高裁判例・山梨県民信用組合事件・最判平28.2.19労判1136.6【百選10版23】
(事案の概要) 1 はじめに 平成15年1月に被告に合併(15年合併)されたC信用組合の従業員であった原告ら12名が、合併により労働契約上の地位を承継した被告に対して、C信用組合の退職金規程(旧規程)に基づく退職金の支 […]