今日の労働裁判例

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【懲戒処分、公益通報】Case470 警察への風営法違反の告発を理由とした降格降給処分について公益通報者保護法に違反し無効であるとされた事案・パチンコ店経営会社A社事件・横浜地判令4.4.14労判1299.38

(事案の概要)  原告労働者Aと同Bは、パチンコ店を経営する被告会社において部長職にありました。原告Bは監査役にも就任していました。  会社代表者と経営コンサルタントは、パチンコ台の遊技釘を出玉が少なくなるよう調整するよ […]

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【残業代、待機時間】Case469 グループホームにおける生活支援員の宿泊時間が全体として労働時間に当たるとされた事案・社会福祉法人A会事件・東京高判令6.7.4労判1319.79

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が経営する4か所のグループホームにおいて、入居者の生活支援の業務を行っていました。  原告の勤務形態は、午後3時から午後9時まで勤務し、そのまま施設に宿泊し、翌午前6時から午前10 […]

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【不当解雇、懲戒処分、損害賠償】Case468 国歌斉唱の際の不起立を理由に2度の戒告処分を受けた教員に対する定年後再任用拒否が違法とされた事案・大阪府(府立学校教員再任用)事件・大阪高判令3.12.9労判1298.30

(事案の概要)  被告大阪府立学校の教員として勤務してきた原告労働者は、過去に2回、卒業式の国家斉唱の際に起立斉唱しなかったことを理由に戒告処分を受けていました。 原告は、定年を迎えるに当たり、教育委員会から校長を通じて […]

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【賃金減額、損害賠償】Case467 賃金規程に降給を予定した規定がないとして勤務不良を理由とした一方的な賃金減額を無効とし休業損害等の損害賠償請求も認めた事案・システムディほか事件・東京高判平30.12.19

(事案の概要)  被告会社で勤務する原告労働者の賃金は、月37万6500円(基準給23万、能力給3万2000円、裁量労働手当5万7500円、技能手当2万7000円、住宅手当3万)でした。  会社は、原告の賃金を、月22万 […]

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【非正規格差】Case466 定年後再雇用の嘱託職員に年末年始及び夏期休暇を一切付与しないことが旧労契法20条の不合理な格差に当たるとされた事案・社会福祉法人紫雲会事件・東京高判令5.10.11労判1312.25

(事案の概要)  障害者支援施設を経営する被告法人で支援員として勤務していた原告労働者は、定年退職後、法人に有期の嘱託職員として定年後再雇用されました。  正規職員と嘱託職員とでは、嘱託職員に昇格が予定されていない以外に […]

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【労働組合、損害賠償】Case465 国労マークの入ったベルトの着用が「胸章、腕章等」の着用を禁止する就業規則に違反しないとして就業規則の書き写しを命じた教育訓練を違法とした事案・JR東日本(本荘保線区)事件・仙台高秋田支判平4.12.25労判690.13

(事案の概要)  国鉄労働組合(国労)の組合員であった原告労働者は、被告会社において、国労マークの入ったベルト(いわゆる国労グッズの一つ)を着用して業務を行っていたところ、被告区長から、ベルトの着用が就業規則に違反すると […]

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【労災、過労死、過労自殺、精神障害】Case464 試用期間から本採用となり地位や仕事の量・質が変化した後の長時間労働を総合評価して適応障害発症及び自殺の業務起因性を認めた事案・青森三菱ふそう自動車販売事件・仙台高判令2.1.28労判1297.147

(事案の概要)  本件労働者は、平成27年4月に被告会社に入社し自動車整備等の業務に従事していました。同年6月までは試用期間として中堅社員の下で整備を行っていましたが、同年7月以降は一人で整備を行うようになりました。また […]

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【労働者性、フリーランス】Case463 放送会社と自由出演契約を締結している管弦楽団員について労組法上の労働者性を肯定した最高裁判例・中日放送管弦楽団事件・最判昭51.5.6労判252.27

(事案の概要)  原告労働組合は、放送会社である本件会社に対して、会社と自由出演契約を締結していた楽団員についての団体交渉を申し入れましたが、会社はこれを拒否していました。  組合は労働委員会に不当労働行為救済申立をしま […]

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【退職勧奨、損害賠償】Case462 入社直後に精神障害等級3級であることのみを理由としてなされた退職勧奨が不法行為に当たるとして慰謝料80万円が認められた事案・中倉陸運事件・大阪高判令6.1.19労判1327.92

(事案の概要)  精神障害等級3級の認定を受けている原告労働者は、職務経歴書に「健康状態は良好ではあるものの持病がある為、月に1日通院しております。」と記載し、うつ病の診断書を提出したうえで被告会社に雇用され令和2年8月 […]

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【不当解雇、労働組合】Case461 教習所の閉鎖に関する団体交渉における使用者の発言が別会社での雇用の申込みに当たるとして別会社との雇用成立を認めた事案・ショウ・コーポレーション(魚沼中央自動車学校)事件・東京高判平20.12.25労判975.5

(事案の概要)  訴外A社の開設する教習所が閉鎖され、グループ会社である被告会社が新たに教習所を開設することになりました。  A社の代表者(被告会社の取締役でもある)は、団体交渉において、A社の従業員は原則として全員被告 […]

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