損害賠償

今日の労働裁判例
Case452 下請業者の労働者に対する元請業者の安全配慮義務違反を認めた最高裁判例・三菱重工業神戸造船所事件・最判平3.4.11労判590.14

(事案の概要)  元請の被告会社から注文を受けた下請企業の労働者である原告労働者らは、社外工として被告会社の造船所で社外工としてハンマー打ち作業等に従事し、聴力障害(難聴)を発症しました。  本件は、原告らが被告会社に対 […]

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Case451 出張中の上司との移動時間も労働時間に算入して長時間労働を認定し、自死に対する会社と取締役の安全配慮義務違反を認めた事案・池一菜果園ほか事件・高松高判令2.12.24判時2509.63

(事案の概要)  本件労働者は、フルーツトマト等の生産農家であった被告代表者に期間雇用職員として雇用され、被告代表者が法人化して被告会社を設立したことから会社に雇用され、会社の統括責任者・統括部長として勤務していました。 […]

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Case450 国が公務員に対して安全配慮義務を負うことを明示した最高裁判例・自衛隊車両整備工場事件・最判昭50.2.25労判222.13

(事案の概要)  自衛隊員である本件労働者は、自衛隊の車両整備工場で車両の整備をしていたところ、同僚の運転する大型自動車に頭部を轢かれて即死しました。  本件は、本件労働者の遺族である原告らが、国に対して安全配慮義務違反 […]

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Case449 安全配慮義務の一般論を示し宿直中の労働者が強盗に殺害されたことについて会社の安全配慮義務違反を認めた最高裁判例・川義事件・最判昭59.4.10労判429.12

(事案の概要)  本件労働者は、毛皮卸売業を営む被告会社で宿直中、窃盗目的で侵入した元従業員に殺害されました。  本件は、本件労働者の両親である原告らが、会社に対して安全配慮義務違反を主張して損害賠償請求した事案です。 […]

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Case444 水道局職員が初めて担当する業務について上司らに相談できないまま追い詰められて自殺したことにつき市の安全配慮義務違反が認められた事案・新潟市(市水道局)事件・新潟地判令4.11.24労判1290.18

(事案の概要)  本件労働者は、被告市が経営する水道局の職員として勤務していました。  組織再編により、本件労働者は、主査として平成19年4月から修繕単価表等の改定という経験がなく事務処理要領等も存在しない業務の主担当と […]

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Case442 院内連絡用PHSを常に携帯し休憩時間がなかったとして研修医の残業代請求及び労災損害賠償請求が認められた事案・医療法人社団誠馨会事件・千葉地判令5.2.22労判1295.24

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が開設する病院で後期研修医として勤務し、多い時期には月100時間以上の時間外労働をし(判決の認定ベース)、適応障害を発症し休職しました。  原告の雇用契約では、臨時日・当直及び時間 […]

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Case440 育休延長や妊娠による業務軽減措置の請求、母性健康管理措置としての休業申出などを理由とする解雇が無効とされ妊娠中の解雇として不法行為に該当するとされた事案・学校法人横浜山手中華学園事件・横浜地判令5.1.17労判1288.62

(事案の概要)  原告労働者は、被告法人が運営する学校で教員として勤務していました。  原告は、第五子の出産に伴い、平成28年8月から同年10月まで産前産後休業を取得し、同月から平成29年8月まで育児休業を取得しました。 […]

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Case437 大阪市によるアンケート調査を争う別件訴訟の提起を契機とするバス運転手から運輸課への転任命令が取り消された事案・大阪市・市交通局長(転任)事件・大阪高判平27.6.18労判1122.18

(事案の概要)  原告労働者は、被告大阪市において約20年間にわたりバスの運転手をしていました。大阪市長は、平成24年に職員の政治活動及び組合活動に関するアンケート調査を実施しました(後に不当労働行為と認定されています) […]

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Case435 主任ケアマネージャーを管理監督者と扱い残業代を支払わなかったことについて代表取締役の重過失を認定して損害賠償責任を認めた事案・そらふね元代表取締役事件・名古屋高金沢支判令5.2.22労判1294.39

(事案の概要)  原告労働者は主任ケアマネージャーとして本件会社に勤務していましたが、本件会社が居宅介護支援事業を廃止することとし原告も退職しました。その後、本件会社は解散しました。  原告は、本件会社で管理監督者扱いさ […]

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Case429 男性従業員の女子トイレへの侵入事件について会社が適切な事後対応を怠ったとして女性従業員に対する慰謝料が認められた事案・仙台セクハラ(自動車販売会社)事件・仙台地判平13.3.26労判808.13

(事案の概要)  原告労働者(女性)は、被告会社店舗の女子トイレ内の掃除用具置場内に、男性従業員Aが潜んでいたのを発見しました(本件侵入事件)。Aは、原告に対して、女子トイレの写真を撮影して雑誌に売るのぞき見目的でトイレ […]

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