解雇

今日の労働裁判例
Case141 休職期間を延長し試し出勤中の労働者の勤務状況から少なくとも相当の期間内に通常の業務を遂行できる程度に回復すると見込まれる状況にあったとした事案・綜企画設計事件・東京地判平28.9.28労判1189.84

(事案の概要)  被告会社において建築設計技師として勤務していた原告労働者は、うつ病により休職し、平成24年3月8日をもって休職期間満了の予定でしたが、会社は原告に対して、復職可能かの審査を行う期間として3か月のリハビリ […]

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解雇・退職勧奨
休職期間満了と復職

1 はじめに  労働者が怪我や病気で一時的に働けなくなってしまうことがあります。多くの会社では、就業規則で私傷病休職の制度が定められており、労働者が働けなくなった場合には、会社の休職命令により一定期間の休職に入ることにな […]

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今日の労働裁判例
Case129 再度の休職が可能であったにもかかわらず主治医の意見を聞かずにされた躁うつ病の再発を理由とする解雇が無効とされた事案・K社事件・東京地判平17.2.18労判892.80

(事案の概要)  原告労働者は、平成12年1月頃から約2年7か月間、躁うつ病の症状により欠勤が多くなり、平成14年9月から休職しました。原告は、平成15年4月から復職しましたが、同年5月までは欠勤が目立ち、平成16年1月 […]

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今日の労働裁判例
Case123 エリアマネージャーから店舗マネージャーへの配置転換及び部長1級から次長1級への降格は有効とされたが、賃金体系が明らかでないことから降格に伴う減給は無効とされた事案・スリムビューテイハウス事件・東京地判平20.2.29労判968.124

(事案の概要)  原告労働者は、西日本担当のエリアマネージャー職で、職位は部長1級、年俸は1150万円でした。  原告は、過去に店舗スタッフを強く叱ることがあり、それが顧客の耳にも届くなどした結果、顧客やスタッフから本部 […]

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今日の労働裁判例
Case106 宗教法人の理事に対する通報を理由とする懲戒解雇が、公益通報者保護法の趣旨から無効とされた事案・神社本庁事件・東京高判令3.9.16

(事案の概要) 1 原告A  原告労働者Aは、被告宗教法人において参事の資格で総合研究部長の地位にありましたが、原告Aが被告の理事2名に対して、被告代表者らが土地の売買に関して背信行為を行ったなどと通報する本件文書を交付 […]

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今日の労働裁判例
Case104 従業員に対するハラスメント行為や業務中の飲酒を理由とする普通解雇が無効とされた事案・摂津産業開発事件・大阪地判令3.2.26労判1259.55

(事案の概要)  被告会社が経営するゴルフ場のクラブハウス内にあるレストランで調理師として働いていた原告労働者の解雇事案です。  原告は、①無駄話が多すぎること、②従業員に対するパワハラ、③メニューを減らしてもいいとの指 […]

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Case88 周知性を就業規則の効力要件とした最高裁判例・フジ興産事件・最判平15.10.10労判861.5【百選10版21】

(事案の概要)  被告会社では、労働者代表の意見を得たうえで、懲戒事由を定めた就業規則を作成し、労基署長に届け出ていましたが、原告の職場には備え付けられていませんでした。  原告労働者は、得意先とトラブルを発生させたり、 […]

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今日の労働裁判例
Case79 2度のPIPを経て行われた能力不足解雇が無効とされた事案・ノキアソリューションズ&ネットワークス事件・東京地判平31.2.27労判1257.60

(事案の概要)  本件は、被告会社でプロジェクト・コーディネーターとして勤務していた原告が、平成28年に業務成績が不良であることなどを理由に解雇されたため、解雇の無効を主張し雇用契約上の地位確認等を求めた事案です。  原 […]

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今日の労働裁判例
Case77 労働者の適性を判断するための期間は特段の事情のない限り試用期間であるとした最高裁判例・神戸弘陵学園事件・最判平2.6.5労判564.7【百選10版11】

(事案の概要)  原告労働者は、被告学校法人に、1年の期限付の常勤講師として採用されました。採用面接において、学校法人は、原告に対して、契約期間は一応1年とし、1年間の勤務状態から「再雇用」するか否かを判定すると説明し、 […]

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Case75 試用期間及び本採用拒否の性質を示した最高裁判例・三菱樹脂事件・最判昭48.12.12労判189.16【百選10版8,10】

(事案の概要)  被告会社は、新卒採用した原告労働者をについて、原告が在学中に大学自治会役員に就任し学生運動に関与したこと、大学生協の役員歴が存することを身上書や面接で秘匿し、経歴詐称をしたなどとして、試用期間満了により […]

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