損害賠償
Case176 うつ病の既往歴がある職員が上司のパワハラを訴えていたにもかかわらず適切な対処がなされず自殺に至ったことについて市の安全配慮義務違反が認められた事案・さいたま市(環境局職員)事件・東京高判平29.10.26労判1172.26
(事案の概要) 本件労働者は、前職場において「うつ病、適応障害」の診断で89日間の病気休暇を取得した半年後に、被告市環境局のセンターに異動し業務主任として勤務していました。 本件労働者は、指導係である上司から暴行を含むパ […]
Case175 特別研修中の市立教員の自殺について市及び県の安全配慮義務違反が認められた事案・鹿児島県・U市(私立中学校教諭)事件・鹿児島地判平26.3.12労判1095.29
(事案の概要) 本件労働者は、音楽科の教員免許を持ち、被告市が設置する本件中学校において音楽科と家庭科の教員をしていました。本件労働者は、前任校にいた頃からメンタルクリニックに通院しており、本件中学校でもストレス反応との […]
Case174 過労自殺について会社の安全配慮義務違反を認め労働者の性格や態様等を理由とする過失相殺を否定した最高裁判例・電通事件・最判平12.3.24労判779.13【百選10版49】
(事案の概要) 本件労働者は、被告会社に新卒入社してから恒常的に長時間の残業を行い、帰宅しない日も多くなりました。 上司は、本件労働者に対して、帰宅してきちんと睡眠をとり、必要であれば翌朝早く出勤するよう指導しました […]
Case173 労働者が精神疾患を申告しなかったことを理由とする過失相殺を否定した最高裁判例・東芝(うつ病・解雇)事件・最判平26.3.24労判1094.22
(事案の概要) 原告労働者は、被告会社において初めてプロジェクトのリーダーを任されてから長時間労働を余儀なくされていました。 原告は、労働時間が一定の時間を超えた従業員につき実施される時間外超過者健康診断を受診し、頭 […]
Case162 完全予約制の美容院にて予約が入っていない時間に従業員が業務を行っていない時間が相当程度あるからといって労働から解放されていたとは言えないとした事案・ルーチェほか事件・東京地判令2.9.17労判1262.73
(事案の概要) 美容師である原告労働者は、被告会社の経営する美容院で働いていました。原告と会社との雇用契約は月給制であるものの所定労働時間や休憩時間は定められておらず、原告は店舗の営業時間に勤務していました。 原告は […]
Case159 育休明けの時短勤務のために有期雇用への転換が必要であるとの説明に基づいてされた有期雇用契約書への署名が自由な意思に基づかず無効であるとされた事案・フーズシステムほか事件・東京地判平30.7.5労判1200.48
(事案の概要) 原告労働者(女性)は、無期雇用の事務統括として被告会社で働いていました。原告は、育児休暇からの復帰にあたり時短勤務を希望しましたが、会社は勤務時間を短縮するにはパート社員になるしかないと虚偽の説明をしま […]
Case158 無期雇用契約から有期雇用契約への労働条件変更に対する労働者の同意は自由な意思に基づくことが必要であるとした事案・社会福祉法人佳徳会事件・熊本地判平30.2.20労判1193.52
(事案の概要) 原告労働者は、NPO法人と無期雇用契約を締結していましたが、NPO法人から被告法人に対する事業移管に伴い、被告法人と雇用契約を締結しました。 原告が被告法人で就労を開始した後に、被告法人は原告に対して […]
Case156 違法な配転命令が労働者の同意によって有効となるためには、その瑕疵を拭い去るほどの自由意思に基づく同意であることを要するとした事案・KSAインターナショナル事件・京都地判平30.2.28労判1177.19
(事案の概要) 原告労働者は、定年後再雇用の嘱託社員として経営管理本部A監査室長を務めていましたが、経営管理本部部長付参事に異動する旨の配転命令1がされ、さらに関西営業本部B事業部参事に異動する旨の配転命令2が行われま […]
Case155 労働者の申告により就労翌日に給与を受け取れる即給サービス利用手数料を給与から天引きしたことが全額払い原則に反するとされた事案・凸版物流・フルキャスト事件・東京高判平30.2.7労判1183.39
(事案の概要) 原告労働者は、人材紹介・派遣会社であるB社に登録し、日雇派遣労働者としてA社に派遣されていました。 B社では、派遣労働者の申告により、就労した翌日に給与を受け取れる即給サービスを提供していましたが、即 […]
Case151 就業予定であった新規部署の廃止を理由とした外国人留学生に対する内定取消しが不法行為に該当するとされた事案・エスツー事件・東京地判令3.9.29労判1261.70
(事案の概要) 1 原告Aら15名 外国人留学生であった原告労働者Aら15名は、被告会社の採用面接を受け、勤務場所を本件事業部とし、入社までにITエンジニア関連資格の取得を目指すことを求める旨記載された採用内定通知書を […]